KDDIが推進「5GでSDGs」の中身

ICTで地方創生支援

除雪車の運行支援の実証実験(長野県白馬村)

 KDDIは2019年度から3年間の中期経営計画の事業戦略の一つとして、持続可能な開発目標(SDGs)を掲げる。高橋誠社長を座長とする「サステナビリティ委員会」を立ち上げ優先的に取り組むSDGsを選定。得意とする情報通信技術(ICT)を用いて地方創生や教育事業などを展開し、地方が抱える社会課題の解決に取り組む。  「自社事業を通じて社会課題を解決し、当社の取り組みが企業価値の向上につながっていることを社内外で示したい」と、KDDIの村本伸一取締役執行役員専務は力を込める。中でも第5世代通信(5G)などの先端技術を活用し、社会課題を解決する取り組みを加速している。  1月、長野県白馬村と連携し5Gを活用した除雪車の運行を支援する実証を実施した。白馬村の冬は除雪車の出動が不可欠だが、道路上に積もった雪で隠れた縁石にぶつかり除雪車が転倒することが多い。そこで除雪車の運転席に設置したタブレット端末に、障害物や道路設備の情報を5Gでリアルタイムに伝送した。積雪のない夏場の路面映像を、除雪車の位置情報に応じ端末に配信。運転手は視界が悪い雪道でも平常時の道を見ながら運転可能。転倒事故を防ぎ除雪作業を効率化した。  6月には宮城県東松島市のミニトマト農園に、人工知能(AI)を活用して農作業の省力化や農産物の収量向上などを図るシステム「ゼロアグリ」を導入した。従来、水や肥料を与える場合タイマーを使用することが多く、供給量やタイミングを生産者が判断する必要があった。ゼロアグリは農園に設置した日射センサーと土壌センサーで収集した情報をもとに、作物の成長に合わせた最適な量やタイミングをAIが算出・判断。点滴チューブから水や肥料を自動供給し、作業時間を軽減した。効率化した時間を芽吹きなどの生育に必要な作業に振り向けることで、6―8月期の収穫量が前年同期比約2倍に増えた。  地方の課題解決に取り組む一方、こうした取り組みを継続するには現地で支える企業や人の存在が不可欠だ。このためKDDIは地域の教育機関や企業と連携し、人材育成を推進している。遠隔教育を手がけるSchoo(東京都渋谷区)や岩手県立大学など複数事業者と連携。5Gを活用した遠隔教育の研究などを進めている。KDDIは地域と企業、双方にとってサステナブルなビジネスモデルの構築に向け、歩みを進める。

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