かんぽ生命の契約不正問題、原因の根本は何か?

かんぽ生命の契約不正問題は日本郵政グループ全体に深い闇を落としている

 政府の郵政民営化委員会が24日開かれ、記者会見した岩田一政委員長はかんぽ生命保険の契約不正問題、ゆうちょ銀行の投資信託の不適切販売について「社員の教育が足りなかったのではないか。フロントラインの研修が必要だ」と指摘した。また、かんぽの営業再開延期については「判断を尊重したい」とし、2020年1月からの再開に向け関係省庁との調整を促した。  かんぽ生命の契約不正問題は日本郵政グループ全体に深い闇を落としている。営業再開は当初予定の19年10月から20年1月に延期された。かんぽ生命と親会社の日本郵政の株価は下落。政府の追加株売却計画にも暗雲が垂れこめている。  日本郵政とかんぽの販売を引き受ける日本郵便、そしてかんぽ生命の3社は9月末、原因の調査を進める外部専門家による特別調査委員会(委員長=伊藤鉄男元最高検察庁次長検事)の中間報告と今後の取り組みについて発表した。  保険業法や社内規定違反の疑いのある契約は過去5年間で6300件を超えた。法令違反の疑いは1400件。保険を新契約に乗り換えを勧める際に、半年は解約できないなどと虚偽の説明を行い、保険料を『二重払い』させたケースが多い。19年12月末をめどにまとめる調査報告ではさらに件数が広がる可能性がある。  「主な募集対象が高齢者で、満期を迎える顧客に対して新たに貯蓄性商品の加入を勧めるというものに偏っていた」(調査委員会)と高齢者を狙った強引な勧誘手法も目立っている。  かんぽ(旧簡易保険)は全国の郵便局で販売されてきた保険で100年以上の歴史がある。医師の診断や職業上の制約がない「簡易な保険」として庶民の間に広がり、郵便局の信頼を背景に急速にシェアを伸ばした。  ゆうちょ銀でも高齢者を狙った投信の強引な販売が指摘された。関係者から聞き取りを行った岩田郵政民営化委員長は「(日本郵便を含む)社員にゆうちょ銀の投信も郵貯という安全資産と違うリスク性商品を売っているという意識が希薄だったのではないか」と、ノルマありきの販売手法の見直しと社員再教育が必要だとした。  郵政民営・分社化以降、保険担当者にはノルマが課される一方、新契約獲得に応じて収入が上がる歩合制が強まった。調査委員会は「現場の営業力に見合わない営業目標金額が課されていた」と指摘している。

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