平成のベストセラー「フィット」、令和でも「自信を持って出す新型車」

新型「フィット」を説明する八郷社長

日刊工業新聞2019年10月24日  ホンダは23日、主力小型車「フィット」の全面改良モデルを「第46回東京モーターショー」で世界初公開した。発売は2020年2月を予定。ハイブリッドモデルには2モーター式のハイブリッドシステムをホンダの小型車として初めて搭載した。環境性能の高さや乗り心地の良さを両立した新世代の小型車として訴求する。  全面刷新は6年ぶり。車載通信モジュール「ホンダコネクト」を活用したコネクテッド機能を搭載する。事故時に緊急サポートセンターにつながり迅速な対応が可能となる。20年に欧州にも投入予定。  新型フィットはドラム式電動パーキングブレーキ(EPB)の不具合で生産停止中の軽ワゴン「N―WGN」と同様のEPBを一部設定で使う予定だった。同日、会場で記者団の取材に応じた八郷隆弘社長は対策として「一部設定のディスク式EPBを全車に適用する準備に時間がかかる」と当初予定より販売時期を延期したことを明らかにした。一方で八郷社長は「自信を持って出す車なので長い目では(遅れの悪影響は)ない」と強調した。  2モーター式のハイブリッドシステムは今後、「e:HEV(イーエイチイーブイ)」として他車にも展開する。 日刊工業新聞2013年9月6日  ホンダは5日、新型「フィット」を6日に発売すると発表した。新開発のシステム搭載によってハイブリッド車(HV)でガソリン1リットル当たり36・4キロメートルとトヨタ自動車の「アクア」(35・4キロメートル)を上回る世界最高燃費をたたき出したことに目が行きがちだが、規模やコストをより重視したホンダの新たな車づくりの仕掛けも数多く盛り込まれている。世界販売を2016年度に12年度比5割増の600万台に拡大するホンダの世界戦略の試金石となる車だ。  「フィットを世界一の小型車にするのが成長戦略の根幹だ」。伊東孝紳社長は同日の新車会見で強調した。  フィットの日本での価格は126万5000―193万円。月販目標は1万5000台だが、発売前に2万5000台分の事前受注を獲得するなど滑り出しは順調だ。  これを1年かけ世界100カ国以上に投入。さらにハッチバック車をベースにしたスポーツ多目的車(SUV)、セダンを設定して順次世界展開し、フィットシリーズ全体で現行車の約2倍の150万台に販売を引き上げる。  実はこのシリーズ展開こそが第一の仕掛けだ。3車種でプラットフォーム(車台)を共用し、主要部品を5割強―7割弱共通化する。部品1種類当たりの発注量が100万台を超える規模にまとまる部品もあり、コスト競争力は格段に上がる。  この戦略の要は次世代車台。車幅やホイールベースを自在に調整できるなど汎用性が高く、同じ車台を使いながらハッチバックは5ナンバー、SUV系は一回り大きい3ナンバーサイズと車格の違うバラエティー豊かな車をつくり分けれるようになった。  第二の仕掛けが世界6地域同時開発と世界最適図面だ。従来の開発体制は栃木県の拠点に権限が一極集中し、図面を地域ごとのニーズや規制に対応させる図面に変えて、各地に投入するのに2年も要した。それを北米、欧州、南米、アジア、中国に開発の一部を移管して世界的な分業体制に切り替えて開発を迅速化する。短期でまとまった部品の量が確保でき、部品メーカーもコスト削減しやすくなった。  それだけではない。開発現地化は海外で部品の現地調達率を高める仕掛けでもある。フィットのデザインは世界統一で、海外開発拠点は「顧客の目につかない部品をいかに現調できる図面に変更するか」(本田技術研究所幹部)を手がける。調達部門とともに各地で競争力の高い部品企業を開拓し、例えばインドでは現調率を現在の8割弱から9割に引き上げる。  ここまで徹底してコスト構造を見直したのはフィットが世界販売の4分の1を占める「最重要機種」(伊東社長)になるからだ。従来車は収益性が悪く、地域によっては赤字だったが、新型は一連のオペレーション改革で調達費を2割削減するなどして「どこで売っても当然利益がでる」(幹部)車になった。フィットを皮切りに新たな車づくりを今後さまざまな車に導入し、成長戦略にアクセルをかける。

続きを読む

関連する記事はこちら

特集