豚のストレス解消に“焼酎”が効く!粕をエサに

飼養豚に焼酎粕を混ぜた飼料を給餌する試験

 キリンホールディングス(HD)、メルシャン、東京大学は焼酎製造の副産物の焼酎粕(かす)が飼養豚のストレスを低減し、肉質を改善することを実証した。焼酎粕はメルシャンで年間1000―2000トン排出され、一部は養豚場で活用されるが、多くが有効活用されていない。今回、焼酎粕を与えた豚の肉質が多くのオレイン酸を含み柔らかく改善することを実証。豚のほか、牛、鳥などの家畜にも同様の効果が期待できるため、今後有効な飼料として活用が拡大する可能性がある。  キリンHDは神戸大学との研究により麹発酵食品に含まれるLHジペプチドが脳内のストレスを抑制する効果を突き止めた。この延長で焼酎粕に多くのLHジペプチドが含まれることを発見。今回この成分が家畜のストレスを抑制し、肉質の改善につながることを、焼酎を手がけるメルシャンと東京大学と共同で証明した。この成果は24、25の両日に福島県で開かれる日本養豚学会大会で発表する。  実証試験は東京大学付属牧場で行った。焼酎粕を20%含む飼料と含まない飼料をそれぞれの豚の群れに90日間給餌。ストレスの状態や肉質を評価した。肉質では官能評価の結果、焼酎粕を与えた豚のロースは柔らかさが高く、ヒレは多汁性、旨味が与えない豚と比べて高かった。ロースとヒレの両方でオレイン酸が増加しており、融点が低いことから口溶けが良くなるという。  ストレス状態では唾液中や血漿(けっしょう)中のコルチゾールの量が焼酎粕の摂取で低下。ストレスが改善していることが分かった。豚の免疫力低下を抑制する効果が期待できるという。  九州では焼酎生産が盛んで、これに伴い発生する焼酎粕の有効活用が大きな課題。キリンHDなどは今回の成果が養豚場での利用拡大につながることに期待する。さらに豚以外に牛や鶏でも同じ効果が期待でき、研究を継続する。  ただ焼酎粕は水分を多く含むため保存性に課題がある。この問題解決にも取り組む方針だ。

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