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自動でアポイントが入るサービス、300人のコールセンターが営業アシスト

セールスロボティクス、利用企業は800社以上
自動でアポイントが入るサービス、300人のコールセンターが営業アシスト

コールセンターの担当者が有利な商談が行えるような提案や情報収集を行う

**常に外出する状況を
 「次のビジネスは自分が欲しいサービスにする。それが自動でアポイントが入るサービスだった」。SALES ROBOTICS(セールスロボティクス)の内山雄輝社長は新サービス開発の経緯をこのように振り返る。同社はクラウドとインサイドセールス(内勤型営業)を組み合わせた法人営業支援サービス「SALES BASE(セールスベース)」を手がける。2015年7月の事業開始から利用企業は800社以上になる。

 内山社長は早稲田大学在学中に起業し、語学のeラーニングサービスを提供してきた。14年ごろ新ビジネスを検討する中、自社の営業担当者が自席にずっと座っておらず常に営業で外出している状況を作りたいと考えた。そこで自動でアポイントが入れば喜ばれるに違いないと考え、新ビジネスを着想した。

 セールスベースは顧客のニーズに合った営業リストの抽出からリード(見込み客)獲得とアポイント獲得までを一括管理できる。利用により顧客の新規開拓に加え、「BANT」と呼ばれる予算や決裁権を持つキーマンなどの情報を集めた顧客データベースの構築・更新も可能。過去の名刺リストを元に、商談提案や新規・既存客のフォローも実施する。

質を高く


 同社は約400万件の企業データに加え、営業活動から得たデータも分析に活用し、質の高いサービス提供に努めている。自社コールセンターの担当者約300人が電話営業を実施し、顧客の営業担当者が相手先企業を訪れた際、有利な商談が行えるような提案や情報収集を行う。失敗例の収集と検証を通じ、「最終的に売り上げが拡大するようなロジックを積み上げていく」(内山社長)という。

 また、同社は19年4月にヒト・コミュニケーションズ・ホールディングス(HD)子会社で人材サービスのヒト・コミュニケーションズ(東京都豊島区)の100%子会社となった。同HDのグループ資源を生かし、「一気に全国展開が図れる」(同)と判断した。

得意分野を融合


 現在、内山社長はヒト・コミュニケーションズHDの執行役員を兼務している。今後は自社のインサイドセールと人材サービスなどグループの得意分野を融合し、幅広いニーズに対応した企業支援サービスを提供する。グループ力を引き出すための新たな挑戦に内山社長は「結構楽しい」と前向きだ。(編集委員・渡部敦)

【企業プロフィル】
所在地=東京都中央区晴海3の12の1▽売上高=未公表▽設立=04年(平16)11月
日刊工業新聞2019年10月21日

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