【台風被害】スバル工場停止、トヨタ車の生産は大丈夫か

系列の取引先が被災、自動車産業のリスク消えず

トヨタの小型車を生産するトヨタ自動車東日本の宮城大衡工場(写真はイメージ)

 台風19号の影響で完成車生産が滞る懸念がくすぶっている。一部の部品メーカーが被災し、サプライチェーン(部品供給網)に支障が出る可能性があるためだ。16日にはSUBARU(スバル)が、工場を停止した。自動車産業は裾野が広いだけにサプライチェーンへの影響の全容解明は容易ではない。時間差で完成車工場が停止に追い込まれるリスクはまだ消えていない。  トヨタ自動車系部品メーカーの愛三工業。自社工場への影響は出ていないが、長野県の取引先が被災した。「復旧には今月いっぱいかかるのではないか」(取引先関係者)とみられている。影響が長引き部品供給が滞れば、トヨタの完成車生産が滞るリスクが現実化する。  すでに完成車メーカーの生産に影響が出た。三菱ふそうトラック・バスは15日午後、一部ラインの稼働を止めた。16―17日は通常稼働したが、18日以降はサプライヤーの状況を確認しながら再度対応を判断する。  スバルは、3工場で構成する群馬製作所(群馬県太田市)の操業を一部を除き16日15時15分(遅番勤務)に停止した。自動車のボディーを構成するパネル部品や小物の板金部品などの供給に影響が出ている。スバルは人的・物的支援でサプライヤーの早期復旧を後押しするが、群馬製作所の操業再開は25日になる見込みだ。  トヨタのほか、日産自動車やホンダなどの完成車メーカーの工場は通常通り稼働する。ただホンダは一部サプライヤーで浸水被害があったといい、部品供給遅れの影響を確認中だ。日産も「部品在庫が一定量あり、当面は完成車生産に影響はない」とするが、一部サプライヤーが被災しており、詳細の確認を急ぐ。  自動車メーカーは東日本大震災や熊本地震を経て事業継続計画(BCP)を磨いてきた。1、2次サプライヤー以降の部品メーカーを含め調達網を見える化したり、問題があった際の代替え生産計画を策定したりする取り組みを進め、サプライチェーンに影響が出ても、可能な限り生産を続ける仕組みを構築してきた。  ただ台風19号は東日本広域に被害を与え、被災したサプライヤーは少なくない。自動車は部品点数が多く、サプライチェーンの裾野は広く、影響がどう波及していくか、まだ完全に把握できていない状況。また特殊技能を必要とする部品は、そもそも代替え生産が難しいなどBCPは完璧ではない。  台風19号の爪痕が、完成車生産に及ぼす影響は広がっていくのか。予断を許さない状況はまだ続く。 <関連記事>

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