【動画必見】道路走行中に給電できるEVタイヤの技術

東大など開発、長時間運転を可能に

「インホイールモーター(IWM)」を搭載したデモ車

 東京大学の藤本博志准教授やブリヂストンなどの研究グループは、走行中の電気自動車(EV)に道路から直接電力を送れるタイヤを開発した。乗用車のタイヤ内に全ての駆動部品を配置した「インホイールモーター(IWM)」を作製。高速道路や信号機手前の区間に給電システムを備えた道路を整備することで、決まった給電施設での充電から解放され、長時間走行が可能になる。  「この性能ならばEVの充電を心配することなく移動できる」(藤本准教授)。10日に東大柏キャンパス(千葉県柏市)で実車による走行実験を行った。日本精工やローム、東洋電機製造などとの共同研究。IWMを搭載した車で送電コイルを並べた道路を走行すると、給電される様子をモニターで確認できた。  今回開発した「第3世代」は、藤本准教授らが2017年3月に発表した軽自動車向け「第2世代ワイヤレスIWM」の走行中給電性能やモーター性能、車両への搭載性を改善した。1輪当たりのモーター出力を2倍の25キロワットに高めた。自動車の静止状態での給電実験では、旧世代に比べて給電能力は66%向上した。  電力を送受電するコイルの大きさは受電側が横230ミリ×縦230ミリ×厚さ26・5ミリメートル、送電側が横1086ミリ×縦318ミリ×厚さ45ミリメートル。路面に埋設させた送電コイルからタイヤの受電コイルに磁界を介して給電する。  今後、実用化に向け柏キャンパス内を走るシャトルバスで25年までに実証実験を始めて「より効率を高めることを目指す」(同)。実用化する際には給電システムを備えた道路1メートル当たりの整備費用15万―30万円を見込む。  二酸化炭素(CO2)の排出量を減らす「低炭素社会」に向け、自動車のCO2排出量の削減が課題。走行中にCO2を排出しないEVは有力な解決手段となる。だが充電施設やバッテリーの大量生産に必要な資源量の確保などの課題がある。少ないバッテリー容量で効率的に走れるEVを実現する技術の一つとして、走行中のEVにエネルギーを送る「走行中給電」が注目されている。  15―18日に千葉市美浜区の幕張メッセで開かれるITの見本市「CEATEC2019」と24日―11月4日に東京都江東区の東京ビッグサイトで開かれる自動車の見本市「東京モーターショー2019」で研究成果を公表する。

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