「お金のプラットフォームになる」、個人間送受金サービス「pring」急成長中

同社公式ページより

 「計画よりも早かった」。pringの荻原充彦社長は相好を崩す。自社が2018年3月に始めた個人間送受金サービス「pring(プリン)」の送受金総額が19年5月に30億円を突破。6月には50億円になった。  プリンの利用者はスマートフォンのアプリケーションを通じ、個人間での金銭のやりとりや銀行口座からのお金の出し入れを無料で行える。友人と外食をした際の割り勘、夫婦での家計の分担などに使われてきた。  荻原社長は法人向けの「業務用プリン」で自社の収益を確保していく考えだ。利用企業は経費精算、キャッシュバックキャンペーンといった用途で、個人のスマホに送金ができる。  送り先のスマホにはプリンが入っている必要があるため、個人向けサービスの認知度向上は業務用プリンの普及につながりうる。  荻原社長がこうした事業を展開する背景の一つには、自身のユニークな経歴がある。立教大学経済学部を卒業後、定職に就かない期間を経て板前として働いた。「20代前半の頃は面白おかしく生きていくことが優先で何も考えていなかった」と謙遜するが、このときに既存の金融サービスの問題点を意識した。  例えば料理人は深夜に仕事を終え、その後にATMでお金を下ろすことが多かったという。「夜に一生懸命働く人が手数料を取られて不利になるシステムは嫌だった」ため、プリンでは利用時間帯による区別をしていない。金融やITに詳しくない人と交流をしてきたことも、アプリの使い勝手を追求する姿勢につながっている。  今後は業務用プリンの拡大などで自社の成長を期すが、「社会が多様化する中で、お金のプラットフォーム(基盤)になりたい」とも考えている。  昨今は副業を認める企業が相次ぎ、生活者が複数の所属組織から報酬をもらう事例が増加。動画を撮影・投稿する「ユーチューバー」など、自由な立場で収入を得ることも一般化した。こうした流れに伴い、お金の授受のあり方も多様化すると見る。  「これまでにない市場をつくる」と意気込む荻原社長。今後も新たな発想の具現化が期待されている。 【基礎データ】 売上高=非公表 所在地=東京都港区三田1の4の1 設立=2017年5月 従業員=20人

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