「工作機械」今年の受注見通し、3500億円下方修正。いつ回復?

先日ドイツ・ハノーバーで開催された工作機械見本市「EMO」

 日本工作機械工業会(日工会)は26日、2019年の工作機械の受注見通しを年初公表の1兆6000億円から1兆2500億円に下方修正した。前年比31・2%減の大幅縮小となる。米中貿易摩擦の長期化、先鋭化を背景に設備投資を手控える動きを反映した。先行きも世界経済に不安要素が多く、年内は8月を底に健全水準の月1000億円を割り込むと予想する。回復時期については20年4―6月を見込む。  19年見通しの1兆2500億円は、過去最高を2年連続で更新する17−18年を控えた16年並みの水準。内訳は、内需が前年比33・4%減の5000億円、外需が同29・6%減の7500億円とした。同日の定例会見で飯村幸生日工会会長(東芝機械会長)は「下期(7―12月)は、上期(1―6月)より落ちるだろう」と一段の下振れを織り込む。20年4―6月とした受注回復は、半導体関連の投資再開や各国の景気刺激策による。 <関連記事> ● ●  日本の工作機械産業が停滞局面にある。日本工作機械工業会(日工会)は26日、2019年の工作機械受注見通しを1兆2500億円(年初予想は1兆6000億円)に下方修正した。過去最高だった18年の1兆8157億円から、ほぼ5カ月分相当の受注量を失うことになる。飯村幸生日工会会長(東芝機械会長)は年初、19年の工作機械産業を「山から次の山へ、尾根伝いに歩いている」と表したが、その勾配は想定以上に急だった。  日工会が同日発表した8月の受注額(確報値)は、市場の冷え込みを証明するのに十分な数字が並んだ。  全体額の884億円は、13年4月以来76カ月ぶりの900億円割れ、外需の509億円は16年10月以来34カ月ぶりの600億円割れだ。ほかにも内需の自動車向けが75カ月ぶりの90億円割れ、外需の米国が31カ月ぶりの160億円割れだ。政府の「ものづくり補助金」も「効果が目立たなかった」(飯村会長)と需要の起爆剤としては、限定的なものだった。  停滞ムードは日本の工作機械産業だけでなく、米国、欧州、中国も同じだ。関係者は、「欧州の工業会は欧州全域の回復に1―2年要するとみている」と明かす。過去最高だった18年から失速とも言える状況を生んだのは米中貿易摩擦だ。さらに中国の設備過剰が新規投資を抑え込んでいるようだ。  日工会は8月の受注を底に、9月単月の受注額を950億円とするなど年内は健全水準の1000億円割れが続くと予想する。  こうした予想が成立する点は、一気に年間受注額が4000億円規模に沈んだ08年のリーマン・ショック後の09年との違いであり、「当時と異なり、今回は変化に対して調整が効く」(飯村会長)ことが救いだろう。  そもそも工作機械の受注は数年単位で好不調を繰り返すものだ。業界には「短期的な上下動に一喜一憂しても仕方ない」(関係者)との考えが根強い。中長期の開発に経営資源を回し、成果を出す工作機械産業ではその考えが正解だろう。  日工会は市場の回復が20年4―6月に始まるとみている。各国の景気刺激策、半導体関連の在庫調整からの投資再開、第5世代通信(5G)向けの設備投資を予想する。  回復時期がいつになるにせよ、次の高みに向けた仕込みを滞りなく進める必要がある。ましてや今は変化の時代だ。 (取材・六笠友和)

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