なぜ日本のAI業界は慢性的な人手不足なのか?

おすすめ本の本文抜粋「本当は、ずっと愚かで、はるかに使えるAI」

**圧倒的に不足するAI人材をどうやって増やすか ■AI時代に必要になるのはどんな人材か?  AIが社会に浸透するほど必要になってくる人材があります。  その一つが、プログラミングやシステム開発をやっているITエンジニアを超えた「AIエンジニア」とも言うべき人材です。  このAIエンジニアには、プログラムを書くだけではなく、AI導入プロジェクト全体をコーディネイトし、進捗を管理する能力が必要です(図)。  まず必要になるのがAIを使いこなす能力です。膨大な種類があるAIアルゴリズムのどれをどこに使えばいいのかという、「AIメタ知識」(AIそのものに関する知識ではなく、その使い方に関する知識)を持っていることが大きなポイントです。  AIエンジニアは、まさにAI時代に必要とされるSE(システムエンジニア)であり、一方でAIシステム開発全体のプロジェクト管理をすると言う意味で、SI(システムインテグレータ、「戦略立案・企画」「要件定義」「設計・開発」「運用・保守」をすべてやる人)なのです。 ■なぜ日本のAIは極度の人材不足なのか?  現在、大手企業からベンチャー企業に至るまで、このAIエンジニア人材が強く求められています。しかし、好待遇の求人がたくさん出ているものの、なかなか良い人材が集まらず慢性的な人材不足となっています。  それもそのはず、前から生息していたAIエンジニアたちは、直近の一五年にわたる「AI冬の時代」を生き残れず、淘汰され絶滅してしまったからです。一度、命脈を絶たれてしまった職種の人材を、事情が変わったからといって、いきなり探し出しても見つかるわけがありません。近視眼的な経営戦略が裏目に出た結果だと言えるでしょう。  ただし、第3次AIブームを経験して、大手企業のAIに対する考え方にも変化が現れてきているように見えます。腰を据えてAI技術を育てていこうとする傾向が感じられるのです。  またAIベンチャーやAIスタートアップの起業も相変わらず続いています。AIの将来、あるいは日本の将来を考えるとき、こうした傾向はかなり期待してよいのではないかと考えています。 書籍紹介 本当は、ずっと愚かで、はるかに使えるAI 近未来 人工知能ロードマップ 山田 誠二 著、四六判、172頁、1,400円(税抜き) 日本のAI研究の第一人者である著者が大胆にAI込みの未来社会を予測する。2020年代~2040年代ごろまでのAIの社会への浸透の具合とは―。AIに関する様々な誤解を解きほぐし、等身大の姿を浮かび上がらせるとともに、AIを受容するために社会に求められる要件を明らかにする。 著者紹介 山田 誠二(やまだ せいじ) 1984年 大阪大学基礎工学部卒。1989年 大阪大学大学院基礎工学研究科博士課程修了。工学博士。1989年 大阪大学助手、1991年 大阪大学講師、1996年 東京工業大学助教授を経て、2002年 国立情報学研究所・総合研究大学院大学教授、現在にいたる。 専門は人工知能、HAIヒューマンエージェントインタラクション。ここ10年の研究テーマは「人間と協調するAI」であり、現在HAI、知的インタラクティブシステムを中心に様々な研究プロジェクトを推進中。2016〜2018年 人工知能学会会長。 ○著書『ヒューマンエージェントインタラクションJ(山田誠二、小野哲雄、近代科学社)、『人工知能の基礎(第2版)』(馬場口登、山田誠二、オーム社)ほか。 販売サイトへ 目次抜粋 第1章 そろそろ等身大のAIの話をしよう AIは人間になれるのか AIはなぜだまされるのか なぜシンギュラリティは起こらないのか 第2章 私たちはAIに何を期待しているのか 「AIが仕事を奪う」という大きな誤解 実は、クリエーターの仕事こそAIに代替される⁉ AIは非常に使える「ツール」だ ―弱いAIバンザイ! 第3章 AIを学ぶ、AIに教わる AI家庭教師〈アダプティブ・ラーニング〉による教育のカスタマイズ 本当に子供たちに必要なプログラミング教育とは 教育→就職→再教育→再就職 ― リカレント教育はAIに任せろ 第4章 あらゆる現場で仕事につくAI IoT+AI=インダストリー4・0&精密農業 AIは自動運転よりもMaaSとの相性が良い RPAにAIを組み込むとどうなるか 第5章 AIと生きる未来シナリオ AI社会のダークサイドも直視しよう XAI(説明可能なAI)でブラックボックスを許さない HAI ―進化する人とAIのインタフェイス ↓画像をクリックしてamazonへ↓

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