53年の歴史で初の“大型カローラ”は吉と出るか

SUVブームに一石、「街にあふれる“大衆車”となってほしい」

新型「カローラ」

 トヨタ自動車は17日、セダン「カローラ」を7年ぶりに全面改良し販売を始めたと発表した。新たな設計思想「トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー(TNGA)」を採用し、グローバルモデルとプラットフォーム(車台)を共通化。車体は現行の小型乗用車から普通乗用車サイズとなる。1966年の発売以来、初の大型化に踏み切ったカローラ。低迷するセダン市場の起爆剤となりうるか。  カローラは世界150カ国以上で販売されるトヨタの看板車種。累計販売台数は4750万台を超え、これまでは地域ごとに作り分けてきた。日本仕様の現行モデルは車台を小型車「ヴィッツ」と共有し、「5ナンバー」サイズを貫いてきた。新型車はTNGAの採用により、普通乗用車の「3ナンバー」サイズとなる。ただ、日本の道路事情に合わせ、2月発売の海外モデルに比べてコンパクトにした。  同日都内で開いた発表会で吉田守孝副社長は「カローラがベストセラーカーであり続けるため、良品廉価にこだわった」と力を込めた。価格は193万6000円(消費税込み)からに設定。ランプやフロントをスポーティーにするなどデザインを一新。スマートフォンと連携した音声操作ができるコネクテッド機能を搭載するなど、若者層に訴求しつつ、足元の多目的スポーツ車(SUV)ブームに一石を投じる。  今回はセダンとともにワゴン「カローラツーリング」をラインアップ。これら2車種に発売済みの「カローラスポーツ」を加えたシリーズ全体で月販9400台を目指す。ガソリンエンジンは1800ccとターボチャージャー(過給器)搭載の1200ccを用意。両車ともハイブリッド車(HV)を設定した。  安全装備にもこだわった。予防安全パッケージ「トヨタ・セーフティ・センス」を全車種に標準搭載するなど安全技術を充実。TNGAで車両原価を抑えつつ、安全性や利便性を高めた。  トヨタは世界販売台数1000万台超という規模を生かしつつ、TNGAによる設計や部品の共用化で開発の効率化を進めている。16年に導入したカンパニー制とともに車の開発・設計手法を抜本的に改革。4年間で15車種計約300万台を切り替えてきた。  TNGAのコストメリットはカローラに対しても大きく貢献。車格の拡大と先進安全装備を標準化した上で、「価格を前のモデルと同等レベルに抑えることに成功した」(吉田副社長)という。  今後もカローラと同様、TNGAのメリットを生かしつつ、地域ごとのニーズを吸い上げた車両開発を加速する。小型車や商用車を含めて、21年末までに18車種の新モデルを投入する計画。これにより計650万台を新型車に置き換える。  豊田章男社長は「多くの顧客に選ばれてきたカローラは、本当に大事な車名だ。街にたくさんあふれる“大衆車”となってほしい」とコメントしている。 (名古屋・長塚崇寛)

続きを読む

関連する記事はこちら

特集