【今週のリケジョ】「漢方」で世の中に貢献

ツムラ 小沢彩さん

 ツムラの小沢彩さん(30)は、漢方薬の原料「生薬」の研究に携わる。生薬は植物などを蒸すなどして生産するが、温度や時間といった生産条件を検討するのが仕事だ。「品質が均一で良い生薬を安定して生産したい」。植物が好きで漢方会社に飛び込んだ。「製品を通じて世の中に貢献する」と目標は大きい。  小さいころから植物が好きでした。法政大学で植物病原菌について学び、東京大学大学院では特定の菌の宿主の特徴や病原性の強弱などを研究しました。樹木にも興味があり、院在学中の2013年に樹木医を取得しました。  植物と接する仕事がしたくて、漢方薬のツムラに入社しました。漢方薬には「よく分からない」とのイメージがありますが、漢方薬や生薬を科学的に解明するという企業姿勢に引かれたのも当社を選んだ理由です。  漢方薬は複数の生薬を決められた比率で調合、煮出してエキスを抽出し製剤にします。当社は安全性などを考慮し、中国などの生産地から生薬を直接調達。植物の栽培から生薬生産まで独自の規定を設け、この規定を守れる生産団体のみが購買の対象となります。  生薬は生の植物などを蒸したり乾燥したりして生産します。高品質な漢方薬には質が均一で良質な生薬が欠かせません。良い生薬をつくるために、生産の際の最適な温度や時間を検討するのが主な仕事です。研究所の設備でさまざまな条件を試し、良い条件が見つかれば生薬の生産に生かしてもらいます。  中国の生薬の生産現場にも足を運びます。実際に現地を訪れると生産条件の検討にためになることが多く、研究員として少し成長した気持ちになります。  趣味はジグソーパズルで、没頭すると良い息抜きになります。仕上がった時の達成感が好きで、ガイド付きであれば1000ピースのパズルを組み立てられるのが自慢です。(文=小野里裕一、写真=木本直之)

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