「水リスク」への警戒、製造業に広がる

ソニーは生産委託先に1%の改善要請

年3億トン節水した排水リサイクル装置(富士フイルム)

 富士フイルムホールディングス(HD)は水資源が事業に与える影響を事業所別に評価した。立地する地域の水資源の減少予測と取水量から水不足が起きた時に影響を受ける事業所を明らかにし、対策に生かす。ソニーは2016年度から調達先に水使用量の把握と削減目標の設定を呼びかける。将来の水不足は製造コストの上昇や取水制限で操業に支障を及ぼす「水リスク」として認識されつつあり、各社が対策を始めた。    富士フイルムHDは主要な生産、研究・開発、営業拠点の61事業所を調査した。立地する地域が将来、水資源が減少する可能性を6段階、取水量を7段階で整理。数値が高いほど水不足の影響が大きい事業所と分かる。地域の水資源は国連の「25年時点の水ストレスマップ」を活用して評価した。  立地する地域の評価で最も水リスクが高い6の事業所は二つ、取水量で最もリスクが高い7の事業所は三つあった。地域評価が6、取水量が5といずれも高いリスクの事業所もあった。これら事業所はすでに対策をしており、現時点で水リスクに直面していない。  積水化学工業も14年度、国内外の全事業所の水リスクを取水、排水、地域性で調査した。すぐに対策が必要な事業所はなかったが、現地調査を継続する。  ソニーは使用量の把握や目標設定に加え、取引額が大きい製造委託先には年1%の改善も呼びかける。調達先が水ストレスにさらされて部品や製品の調達が滞るリスクを防ぐ。  機関投資家も企業の水使用に注目している。水リスクを認識しているほど水不足への備えがある企業として認め、長期的な投資対象に選んでいる。企業には温室効果ガスの排出削減に続き、水資源の保全も重要な環境問題となってきた。

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