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「デニーズ」ハンバーグ持ち帰りは実質値引き、外食各社が増税対応で独自色

売れ筋7商品、増税後も価格据え置き値頃感で勝負
「デニーズ」ハンバーグ持ち帰りは実質値引き、外食各社が増税対応で独自色

外食産業は独自色で顧客離れを防げるか

 セブン&アイ・フードシステムズ(東京都千代田区、小松雅美社長)は6日、10月1日からの10%消費増税時に、ファミリーレストランの「デニーズ」で、ハンバーグなど売れ筋の7メニューを店内で飲食する場合は税込み価格を据え置くと発表した。本体価格(税抜き)を値下げすることで、税率10%をかけた時と現状の8%をかけた時の価格を同一にする。本体価格の引き下げにより、増税後は税率が8%の持ち帰りは現状に比べて実質値引きとなる。

 対象は和風ハンバーグやデミグラスハンバーグ、ミートスパゲティやオムライス、サラダセットなど7メニュー。外食は増税時の軽減税率対象外で、2%の増税となることから「人気の売れ筋メニューを増税前と同じ価格にすることで、お客さまには値頃感を伝えたい」(鎌田靖取締役執行役員商品本部長)と説明した。7メニュー中、ハンバーグやオムライスなどは持ち帰ることができる。

 対象商品は、原料調達先の見直しやセブン―イレブン・ジャパンの設備を活用するなどで製造コストを削減し、利益を確保する。また、税率8%適用の宅配を強化するため、対応店舗数を現在の178店から10月1日以降は200店舗まで拡大する。

 コンビニやスーパーで販売する飲食料品(酒類を除く)は、軽減税率対象であるのに対し外食は対象外のため、多くの外食企業は増税後の売上高減少を懸念し、独自対策を打ち出している。

 同じくファミレスを展開するサイゼリヤではほとんどのメニューで税込み価格を据え置く。牛丼チェーンの松屋でも、本体価格を調整して持ち帰りと店内飲食の税込み価格を同一にする。ほとんどの企業は持ち帰りと店内飲食で異なる税率となるが、同一価格を打ち出した企業は、値段のわかりやすさで顧客離れを防ぎ、収益を確保する狙いだ。
日刊工業新聞2019年9月7日電子版

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