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「基地局の建設ペースは順調に回復」と三木谷さん、でも進捗率は非公表

楽天が10月開始の携帯サービス、当初5000人限定で無料提供
「基地局の建設ペースは順調に回復」と三木谷さん、でも進捗率は非公表

携帯事業を説明する三木谷会長兼社長

 楽天は6日、10月開始予定の携帯電話サービスについて当初は利用者を5000人に絞って無料で提供すると発表した。携帯電話ネットワークの安定稼働が確認できたのち、2020年春をめどに全面提供する予定。料金体系は非公表。総務省は、楽天が割安なサービスを提供することで既存大手3社による寡占市場を切り崩すことを期待していたが、全面提供が後ろ倒しになったことで、業界での価格競争に影響を与えそうだ。

楽天は10月1日に利用人数を絞って提供する「無料サポータープログラム」の受付を始める。東京都23区や大阪市、名古屋市、神戸市に住む18歳以上の人を対象に、7日まで申し込みを受け付け、13日以降に購入端末とSIMカードを発送する。同プログラムは20年3月末まで実施。通話やデータ通信を無料で利用できる。プログラムを通じてネットワークの安定稼働が確認できた後、インターネット上での一般受け付けを早ければ年内に始める計画だ。

楽天は基地局の整備計画に対する進捗(しんちょく)状況に遅れが見られるとして、総務省から行政指導を受けていた。9月6日都内で会見した三木谷浩史会長兼社長は「基地局の建設ペースは順調に回復している。基地局をインターネット上につなぐオペレーションに課題があったがそれも現在は解決した」と説明した。同社は20年3月末までに3432局を設置する予定だが、現在の進捗(しんちょく)率は非公表としている。

また格安スマートフォンサービス「楽天モバイル」顧客には自社回線への移行を促すが、新規申し込みの受付は継続する意向を示した。

日刊工業新聞2019年9月7日電子版

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