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日本企業「攻め」まだまだ…デジタル変革実施43.4%、業務効率化など重点

 NTTデータ経営研究所(東京都千代田区)は「日本企業のデジタル化への取り組みに関するアンケート」の結果を発表した。デジタル変革(DX)に具体的に取り組んでいる企業は全体の43・4%で、企業規模が大きいほど比率が高くなる傾向があった。また、日本企業のDXは業務効率化や改善など「守りのDX」が多く、ビジネスモデルの抜本的改革など「攻めのDX」には至っていない状況が分かった。

 NTTデータ経営研究所は、2019年7月23日から8月4日まで、国内の大企業や中堅企業の1万4509社に対しウェブアンケートを実施。そのうち663社(4・6%)が回答した。

 調査では企業のDXの実態や成功企業の特徴などを分析。「DXへの取り組み状況」を聞いたところ、「具体的に取り組んでいる」と回答した割合は、売上高1000億円以上の大企業では77・9%。これに対し、売上高500億円未満の中堅企業では34・0%に留まった。

 

 DXの取り組みの感触には「うまくいっている」と回答したのは42・4%。一方、ネガティブな感触を持つ企業は47・6%だった。また「DXのテーマ」の問いには「業務処理の効率化・省力化」が84・0%、「業務プロセスの抜本的な改革・再設計」が61・1%だった。「成果が出ている」項目・内容は、業務処理関連が40・5%、業務プロセス関連が22・7%だった。DXは進んでいるものの今後、実践段階へ移行し成果を出していく必要がある結果となった。
日刊工業新聞2019年9月5日
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
先日インダストリアル・バリューチェーン・イニシアティブ鍋野敬一郎エバンジェリストの講演を取材した際、「2025年までに攻めのDXを実現しなければ衰退につながる」と強調していました。果たしてあと5年で変革は起きるのでしょうか。

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