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コンビニの9割がキャッシュレス決済を導入、身近に進む“脱・現金化”

JCB調べ
コンビニの9割がキャッシュレス決済を導入、身近に進む“脱・現金化”

キャッシュレス浸透(イメージ)

 JCBがコンビニエンスストアや居酒屋のレジ担当者、タクシー運転手ら会計に関わる計300人を対象にキャッシュレス決済の導入状況を調べたところ、いずれも7割以上が何らかの形でキャッシュレス決済を導入していると回答した。コンビニについては、9割超が導入済みと答えた。一般消費者の中には依然、現金に重きを置く意識も見られるが、身近なところに“脱・現金化”が進んでおり、徐々にキャッシュレス文化が浸透していきそうだ。

あった方がいい


 JCBによると、コンビニの会計担当者のうち、勤務場所でキャッシュレス決済が「導入されている」とした回答は82%を占めた。「一部導入されている」は11%。9割以上が何らかの形で、キャッシュレス決済を導入している。

 居酒屋は「導入されている」が44%、「一部導入されている」は33%で、「導入していない」は23%にとどまる。タクシー運転手も「導入されている」が45%、「一部導入されている」が29%。「導入していない」は26%と3割に満たない。

 「一部導入されている」「導入していない」とした会計担当者のうち、キャッシュレス決済が「あった方がいい」とした回答は、コンビニが83・3%、居酒屋は76・8%、タクシー運転手は74・5%を占め、いずれも7割を超えた。会計時にキャッシュレス決済は現金支払いに比べ「対応が楽」(関係者)といった意識もありそうだ。

要望7割の水準


 顧客からキャッシュレス決済に関する要望を受けた会計担当者は68・7%を占め、ほぼ7割の水準。内訳は「頻繁にある」が10・7%、「時々ある」は29・3%、「まれにある」は28・7%だった。JCBは「一般消費者、会計担当者の双方がキャッシュレス決済導入に高い支持を示している」と見ている。

 一方、一般消費者1000人が対象の調査では「キャッシュレス決済は現金支払いよりも便利」との回答が80・7%を占め、大多数がキャッシュレス決済の利便性を認識している。ただキャッシュレス決済をすでに利用している人のうち、65・8%が「使用をためらった経験がある」としており、現時点でキャッシュレス化に不安を抱く向きもある。

浸透の呼び水に


 10月に始まる「キャッシュレス・消費者還元制度」に伴い、キャッシュレス決済の利用が進むとの見方があり、同制度がキャッシュレス浸透の呼び水になるかが注目される。両調査ともにJCBの「キャッシュレス決済に関する調査」に盛り込まれた。対象者の年齢層はいずれも20―60代。
日刊工業新聞2019年9月5日

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