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夜空を撮影する人を募る環境省の狙い

光害防ぎ、星空を地域資源に
夜空を撮影する人を募る環境省の狙い

写真はイメージ

 デジタルカメラで夜空を撮影する人や団体を環境省が募っている。画像データを送ってもらい、同省が夜空の明るさを解析する。一眼レフ相当の機種があればプロ、アマ問わず参加可能だ。

 過剰な屋外照明による「光害(ひかりがい)」は、夜空が明るすぎて天体観測ができなかったり、生態系に悪影響が出たりする公害だ。同省は光害を啓発し、美しい星空を地域資源として守るきっかけにしようと2018年夏から市民参加型の夜空調査を始めた。

 19年冬の観察期間は1月26―2月8日だった。条件を満たした投稿641件のうち、21等級以上(天の川の複雑な構造が確認できる)は111件だった。また17等級未満(星はほとんど見られない)が20件あった。農業地帯や森林山間部、自然公園は等級が高く、住宅・商業地域は低い。

 同省は夏、冬とも継続的に撮影に協力する人や団体を登録している。長野県の登録が100件あり、19件で2位の東京都に圧倒的な差をつけている。「県を挙げて星空を地域資源として観光に活用しており、県民の関心が高く登録が多いようだ」(環境省担当者)。

 夏の観察会は8月21―9月3日。家庭にあるデジカメを光害対策に役立てる機会だ。

              
日刊工業新聞2019年7月26日

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