倒産が秋から増える理由

上期は29年ぶりの低水準も、人手不足や消費増税が懸念材料に

 東京商工リサーチ(TSR)と帝国データバンク(TDB)の民間調査会社2社がまとめた2019年上半期(1―6月)の企業倒産件数は、いずれも前年同期を下回った。製造業や建設業での減少が寄与した。TSRの集計では前年同期比3・7%減の3991件と、1990年以来29年ぶりの低水準を記録。上半期としては10年連続で前年同期を下回った。TDBでは同0・8%減の3998件となり、上半期では05年以来14年ぶりに4000件割れとなった。  産業別・業種別の倒産件数はTSRが10産業中7産業で、TDBは7業種中4業種で、それぞれ前年同期を下回った。一方、人手不足などを背景に倒産が増えている業界もある。TSRによると運輸業が同20・5%増の135件で、「労働集約型の産業での深刻な人手不足が経営の重しになっている」。TDBの調べでも運輸・通信業は同3・8%増の138件だった。  負債総額はTSRが同2・1%増の7623億6000万円になり、上半期では2年ぶりに増加。TDBは同17・6%減の7507億6000万円と、2年連続で前年同期を下回った。  6月単月の倒産件数は、TSRが前年同月比6・3%増の734件で、5カ月ぶりに前年同月を上回った。TDBは同3・5%増の734件と、2カ月ぶりに増加に転じた。  今後の見通しについてはTSRが「10月に予定される消費増税による影響は不透明さを増しており、企業倒産は秋口を境に緩やかに増勢に転じる可能性が高まっている」と指摘。TDBは「人件費や物流費、原材料費などが上昇基調で、年後半にかけては楽観視できない状況が続く見込み」としている。

続きを読む

関連する記事はこちら

特集