ジャパンディスプレイの再建前進も“条件付き”

ファンド出資決定も迷走ぶりから一波乱も

9月末で引責辞任する月崎社長。後任は菊岡稔常務執行役員兼CFO

 ジャパンディスプレイ(JDI)の経営再建は、中国ファンド最大手のハーベストグループなどが出資の機関決定を行ったことで一歩前進した。最大顧客である米アップルの追加支援も加わり、八方ふさがりの最悪期は脱した。ただ、全ては中国や米国当局の許可が下りる“条件付き”であり、実際の出資受け入れまではさらなる曲折が予想される。  ハーベストは6月27日までに、JDIに対して総額約415億円の資金支援を決定した。あわせて、アップルがJDIへ約107億円出資する。アップルは2年間に限った前受け金の返済猶予額を前回合意の半額から4分の3に拡大するほか、液晶パネルの発注増量で支援を強化する。  香港ファンドのオアシス・マネジメントも約161億―193億円の出資を機関決定した。ただ、当初4月に発表した中国・台湾企業連合「Suwaコンソーシアム」からの資金調達額は最大800億円であり、現状はオアシスの最低出資分を含めて約117億円が不足している。ハーベストが中心となって新たな出資者を探している。  ハーベストはもともとJDIと資本提携して、中国で有機ELパネル工場を建設する計画だった。ただ、同国内での工場乱立を懸念した中国当局から許可が下りなかったもよう。次善の策として、同コンソーシアムに中国有機ELパネル大手の維信諾(ビジョノックス)や同家電大手のTCL集団を引き入れて、各社の工場建設計画に相乗りしようと画策しているようだ。  また、米中貿易摩擦の激化により米国の対米外国投資委員会(CFIUS)の審査も厳しくなっている。アップルを陣営に加えて“中国色”を薄める思惑も見え隠れするが、その効果は不透明だ。  JDIは12月末までの払い込み完了を目指すが、4月以降の迷走ぶりを考えればもう一波乱ありそうだ。 (文・鈴木岳志)

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