G20、廃プラ問題が重要論点!世界的に高まる関心のワケ

規模・用途の市場拡大

G20エネルギー・環境相会合では日本の素材メーカーの技術に関心が集まった

 28、29日に大阪市で開催される20カ国・地域首脳会議(G20サミット)で、廃プラスチックおよび海洋流出の削減は重要な論点となる。 日本の化学メーカーは生分解性プラや植物由来プラの開発に長年コツコツ取り組んできた。世界的な関心の高まりを受け、規模と用途の両面で市場が大きく拡大しようとしている。  「『バイオPBS』への問い合わせが多く、一つ二つ受注すると次の増設が必要になる」。三菱ケミカルの和賀昌之社長は、三菱ケミカルホールディングス(HD)の株主総会で株主からの質問に答え、こう説明した。バイオPBSは植物と石油由来の原料からできる生分解性樹脂だ。  廃プラ対策は使用量削減と回収・再利用が基本で、生分解性樹脂は万が一流出した場合のセーフティーネットとなる。同製品は生産開始から数年、「収益よりお金を使う方向だった」(和賀社長)。潮目の変化を捉えて増産し、成長を目指す。  他の化学メーカーの株主総会でも廃プラ対策について質問が相次ぎ、一般消費者からの関心も非常に高い。  “目に見えない”プラスチックの問題に対し、解決策を打ち出す企業も出てきた。洗顔料や歯磨き粉などに含まれるプラスチック製マイクロビーズは排水溝から簡単に流出し、回収できない。微細なため小型生物が体内に取り込む恐れがある。  そこで、積水化成品工業は生分解性樹脂を原料にマイクロビーズ「テクポリマー」EFシリーズを開発した。EF―Aグレードは水中で50日間で80%以上が分解され、EF―Bは土中で半年で60%以上、1年で100%分解することを実験で確認した。  同製品は従来製品に比べなめらかな感触と光反射性も実現し、化粧品の機能向上が期待できる。同社は化粧品メーカーを中心に提案し、テクポリマー全体の売上高を3年後に約2割引き上げる。  カネカは海洋を含めた生分解性が認定されている生分解性ポリマー「PHBH」の引き合いが活発だ。セブン&アイ・ホールディングス(HD)や資生堂と共同で用途開発を進めており、19年内に年産5000トンの増設プラントが完成する。  長い目で見ると、廃プラ問題はプラスチックに求められる機能を大きく変えそうだ。自然界に流出した場合セーフティーネットとなる生分解性だけでなく、リサイクルしやすさや使用量削減への貢献、持続可能な原料への切り替えなどが求められる。ここには、三井化学など多くの企業が取り組む。自動車やエレクトロニクス製品の進化を支えてきた“化学”の力が試される。 (文=梶原洵子)

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