海洋プラ対策、日本が世界を先導できる理由

CLOMA会長(花王社長)・澤田道隆氏インタビュー

澤田道隆会長

 海洋プラスチックゴミ問題を議論する主要20カ国・地域(G20)エネルギー・環境相会合が15、16の両日、長野県軽井沢町で開かれた。産業界が結集して問題を解決しようと花王や味の素、三菱ケミカルホールディングスなどが参加する「クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス(CLOMA)」が活動する。異業種215社を束ねる澤田道隆会長(花王社長)に日本の強みを生かした解決策を聞いた。  ―1月に設立したばかりのCLOMAの特徴を教えて下さい。  「キーはマテリアル(素材)だ。素材を熟知し、使いこなす技術を開発し、海洋プラ問題、さらにプラゴミ問題の解決に真っ向から取り組む。アライアンス(連携)もベースだ。素材メーカーからプラを利用する企業まで参加する組織は他になく、中小企業も技術が採用されるチャンスがある。連携は日本の力強さであり、世界を先導できる」  ―プラ使用量の削減、代替素材の普及などを定めたCLOMAのビジョンをG20で発信します。  「プラの使用をやめようということではない。プラは有用であるが故に多く使われてきた。一方、負の面もあり、海ゴミのような問題が起きた。エビデンス(証拠)から考え、代替素材に切り替える前に3R(削減、再利用、リサイクル)を徹底する。できるだけ少量の使用でプラの良さを享受し、できるだけ使い続ける」  ―経営者はプラ問題とどう向き合うべきですか。  「真摯(しんし)に受け止めるべきだ。そして問題解決をコストではなく投資と考えるとリターンが生まれる。いま、環境や社会に配慮した商品の購入層が増えており、プラ問題に寄与する商品が選ばれるだろう。短期に利益が出れば再度、投資ができる」  ―ESG(環境・社会・企業統治)の考え方ですね。  「問題解決をビジネスとして回転させると大きなうねりとなって生活者、そして社会にもプラスとなる。いかにプラスにするかが経営者の課題だ。今後、ESGも念頭に技術革新をやっていきたい」  ―日本は1人当たりプラ消費量が世界2位であり、過剰包装などが指摘されています。  「使いすぎが良くないという風潮づくりが求められる。日本の廃プラは海外でリサイクルされていた。海外諸国が廃プラ輸入を規制したため、日本は国内処理で困っている。見直せるモノは見直し、使えるモノは使い続ける意識改革の時だ」 【記者の目/G20で日本の力、発信】  「冷静に考えても日本は3Rのレベルが高い」と澤田会長は語る。シャンプーなど日用品で詰め替えが定着したことをあげ、「こまやかな心遣いのある技術や商品が、世界でも認められてほしい」と願う。その発信の場がG20だ。軽井沢の会場にCLOMAも16件の技術・商品を展示する。日本のプラ対策が遅れている印象を払拭(ふっしょく)する機会だ。(文=編集委員・松木喬)

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