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洗濯乾燥機のトレンド、「ドラム式」から「縦型」へ!?

家電各社、相次ぎ新製品。手頃感と省力化ニーズ反映
洗濯乾燥機のトレンド、「ドラム式」から「縦型」へ!?

パナソニックの「NA―FW100K7」

本格的な梅雨入りを前に、家電各社がドラム式とは別に縦型洗濯乾燥機の新作を投入している。洗濯物を室内で干す機会が増えるため、機能改良で洗浄力を向上。上位機種にのみ搭載していた便利な機能の採用で、共働き世帯の増加や高齢化による時短・省力化のニーズにも応えている。

 東芝ライフスタイルは、低騒音設計の「ZABOON(ザブーン)」シリーズに「AW―10SV8」など6機種を5月下旬から順次発売する。消費税抜きの市場推定価格は21万円前後。直径1マイクロメートル未満(マイクロは100万分の1)の気泡「ウルトラファインバブル」を含んだ水の給水方法を改良。部屋干し臭の原因となるたんぱく質汚れをより洗い落としやすくした。

 脱水後の洗濯物を取り出しやすい「ほぐせる脱水」機能も加えた。新柄の採用でデザイン性も高めた。

 日立グローバルライフソリューションズは「ビートウォッシュ」シリーズから「BW―DV100E」など3機種を6月8日に発売する。消費税抜きの市場推定価格は21万円前後。最上位機種に搭載していた「AIお洗濯機能」機能を採用。8種類のセンシングで洗濯物の布質や汚れの量などの情報を収集して、最適な水量や運転時間を自動で調整するため運転設定の手間が省ける。

 洗濯時間が短い「おいそぎコース」も改良した。約1・5キログラム(1人の1日分相当)の衣類の場合、約10分で洗濯が完了する。

 パナソニックは「NA―FW100K7」など3機種を6月25日に発売する。ななめドラム式洗濯乾燥機に搭載していた、液体洗剤や柔軟剤の自動投入機能を採用することで計量の手間を省いた。消費税抜きの市場推定価格は23万円前後。

 衣類を撹拌するパルセーターも新たに開発。羽根の断面積を増やして、洗浄時のムラを抑制する。

 2019年度の縦型洗濯乾燥機の需要については、各社とも前年並みを見込む。月産台数は、東芝ライフスタイルが洗濯容量10キログラムのAW-10SV8と9キログラムのAW-9SV8の合計で5000台を予定。パナソニックは、容量違いの機種も含めた計3機種で5000台を計画している。日立グローバルライフソリューションズは、容量違いの3機種合計で1万台を見込んでいる。

 今年の売れ筋についてヨドバシカメラの旗艦店マルチメディアAkiba(東京都千代田区)では「ドラム式は大き過ぎるとして好まれない面もあり縦型乾燥の需要はある。価格面でも実勢12万―15万円が中心価格で、ドラム式よりも手頃な点が評価されている」という。
東芝ライフスタイルの「AW―10SV8」

(文=国広伽奈子)

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