学生と教員が企業に常駐、「プラクティススクール」の効果

東工大が今夏開始

プラクティススクールは2018年度の試行で効果を確認した(東工大提供)

 東京工業大学は企業の重要課題を博士課程学生と教員が数週間、企業に常駐して解決を目指す「プラクティススクール」を今夏、始める。企業の研究所や事業所に分散する実験の大量データ(ビッグデータ)や製造コストの情報を集め、専門分野が多様な博士学生のアプローチで、データ解析やモデリングによって改善策を導く。企業メリットが大きいため有料とする。博士学生の育成とともに、外部資金を獲得する有力ツールとしても注目される。  東工大は文部科学省の事業「卓越大学院プログラム」の採択を受け、「物質と情報の融合」をテーマに掲げて社会の様々な領域で活躍する博士学生の育成を進めている。  対象は化学・材料系の大手企業1社で、博士学生10人が数週間で滞在し、数人の教員が指導する。企業が示す課題解決に向けて守秘義務契約を結び、複数の研究所や事業所のデータを収集する。  部署を超えたビッグデータを、大学の最新の手法で横断的に検討しプロセス改善や研究手法の最適化などを図る。企業が出した方向性が学生の分析で適切でないと判明して別の切り口を提示する可能性もある。専門性の高い教員の助言も有効とされる。  学生は多面的な視点でビッグデータの重要性を理解し、モデルを組み立て別分野の人に伝えるコミュニケーション能力を高め、独創的で俯瞰(ふかん)力のある博士人材となる。この実施に向けて学内でデータ解析やシミュレーションの技術、実課題への適用などを学んでいる。  プラクティススクールは米マサチューセッツ工科大学(MIT)で100年以上の歴史があり、修士課程学生で行われている。日本では東京大学で導入例がある。東工大は文科省の卓越大学院プログラムで、軌道に乗れば1学年20人を2社に派遣する計画だ。

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