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【今週のリケジョ】いつか米アクチュアリーに

東京海上HD・森瞳美さん
 東京海上ホールディングス(HD)の森瞳美さん(26)は、会社が抱えるリスク分析業務に携わる。作成するリポートは経営会議にも諮られる重要資料だ。「仕事の納期とスケジュール管理が難しい」と試行錯誤の日々だが、「いつかは米国アクチュアリー(保険数理人)に合格したい」と夢は大きい。

目標しっかり、日々勉強


 小学生のころから算数が好きで、自然と理系の道に進みました。東京工業大学と同大学院で理論物理学を研究、米国にも留学しました。もともと積極的な性格ですが、この時に「意見はしっかり表明する」という習慣が身に付き、仕事に良い影響が出ていると思います。

 理系の知識を生かせるアクチュアリーの職に就きたいと考え、当社を志望しました。就職活動時に面会した社員の方々のフランクな雰囲気も入社を後押ししたと感じます。

 今は入社3年目で、リスク管理部に所属しています。東京海上グループは損害保険や生命保険を引き受けています。この中で当社が抱えるリスク量を分析したり、投資収益率(RoR)を算出したりするのが主な業務です。これらを基に部で作成した議案は経営会議に報告し、当社が推進する「全社的リスク管理(ERM)経営」に役立てられます。保険会社にとってリスクを的確に把握することは健全で安定した経営のために重要なことです。

 現在は日に数時間の勉強を続けており、将来は米国アクチュアリー試験に合格し、リスク管理のプロとして活躍するのが目標です。この他にも金融工学などの知識を幅広く吸収し、キャリアを積みながら自分を高めていきたいと考えています。

 趣味は3歳から続けるクラシックバレエでリフレッシュしています。旅行も好きですが、アクチュアリーに合格するまではしばし我慢ですね。(文=小野里裕一、写真=木本直行)

                   
日刊工業新聞2019年5月19日

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