日本の大学発ベンチャー、“出世払い”で成長は加速するか

 いまや2000社を超える大学発ベンチャー。今後もイノベーションの担い手として期待が高まるが、厳しい資金繰りが成長の妨げになっている。そんなボトルネックを解消する、大学によるベンチャーの株式等の取得に関する手引きを公表した。  シリコンバレーでは大学から新しい産業が次々と生まれている。大学の革新的な研究成果を実用化する担い手として大学発ベンチャーが期待されており、日本でも、最新の調査では過去最高の2,278社を記録した。うち64社が上場しており、時価総額は2.4兆円となる。  ただ、実用化までに長い時間と膨大な費用がかかる大学発ベンチャーにとって、資金繰りは死活問題。他方、大学としても次代のベンチャー育成のためには一定の財務基盤の確保が必要であり、例えば特許のライセンスをめぐって交渉がうまくいかず、大学が成長を阻害していると言われる場面もあった。  解決策となるのが株式やストックオプションを活用した「出世払い方式」だ。例えば特許のライセンスに伴い、ベンチャーの株式・ストックオプションを大学に付与する。  ベンチャーが成長して株式の価値が上がれば、そこから大学が幾ばくかの利益を得て、また次のベンチャーを育てていくという仕組みだ。  これまでノウハウ不足等により全国でほとんど例がなかったため、この方式の利用促進を図り、具体的な留意点と先進事例をまとめた手引きを経済産業省が策定した。  出世払い方式が広がることで、大学を中心とした循環(エコシステム)が形成され、世界に次々と新たな価値を生み出すための一手となることを期待したい。

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