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十二単を纏い、平安時代の貴族になりきれる宿

「泊まる」だけじゃない宿(5)旅殿御所 社乃森
 十二単(ひとえ)に身を包み、四季折々の風景の中で雅(みやび)なひとときを過ごす―。「旅殿御所 社乃森(やしろのもり)」(徳島県阿波市)は、平安時代の貴族の生活をイメージした温泉宿。約3000坪(約9900平方メートル)の敷地に建つ寝殿造りの屋敷に部屋数は10室のみという、現代の都会では得がたい豊かな空間が広がる。

山中に佇む美しい御殿

庭を眺めながら食事ができる


 掛け流し温泉や着付け体験も人気の理由だが、注目すべきは中庭の神社。計画当初、創建の予定はなかったが、縁がつながって阿波神社から勧請(かんじょう)(神仏の来臨)を受けた分社だ。宮大工は神社を造る部分だけ地盤が違うと驚いたという。

敷地内に造られた神社。祈祷もできる


 「ブログやインスタグラムの投稿によって注目されてから、20―30代の女性客が多く来て下さる。他にない癒やしをここで感じてほしい」と、女将は語る。
(おわり。文・写真=写真部・成田麻珠)

【連載】「泊まる」だけじゃない宿
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日刊工業新聞2019年5月6日
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
人里離れた山中の御殿で姫になる稀有な体験、海外からの観光客人気も伸びそうです。

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