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出会ったことある?キリンビバレッジのTポイント自販機ー年内めど2万台に拡大

“自販機優遇戦略”を展開
 キリンビバレッジは全国に展開する飲料自動販売機約24万台のうち、Tポイントカード対応機の台数を現在の約1万3000台から年末をめどに2万台へ増強する。Tポイントはカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が展開するポイントカード事業でコンビニエンスストアのファミリーマートやスーパーのマルエツなどが加盟。購入額に応じてポイントがつく。キリンビバはこれを活用し自販機設置競争で他社と差別化、購入促進にもつなげたい考えだ。

 Tポイント自販機は2012年から徐々に展開しており、缶コーヒー「ファイア」や炭酸飲料「メッツ」を購入すると金額に応じてポイントがためられる。定価販売が多い飲料自販機は、特売が日常化しているスーパーやドラッグストアに押されて、厳しい競争環境にある。「同じ商品が片方で1本130円、近くのスーパーで88円では消費者は納得しない」との(佐藤章社長)考えのもと、店売りと異なる自販機専用商品のアイテムを増やしている。

 Tポイント自販機強化もそうした“自販機優遇戦略”の一環で、合計台数は数年以内にさらに約5万台へ増やしたい考えだ。

 130円の商品でたまるのは1ポイントのため、10本買ったら11本目は無料にするなどの大幅値引きは難しい。しかし今後はこうしたサービスも、技術進歩で可能になるとみている。

 Tカードの顧客購買情報を活用し、同一商品が多い客には、スマートフォンで新アイテム情報や特典情報を流す戦略も検討する考え。
日刊工業新聞2015年08月18日 建設・エネルギー・生活面
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
Tポイントの使える自販機、私はいままで見つけたことがありませんでした。顧客情報が取得できマーケティングに活用するとなると、自販機戦争を一歩リードできそうです。

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