教学と分離へ、国立大に問われる“経営センス”

国立大学法人法改正へ

 名古屋大学と岐阜大学の統合を可能にする国立大学法人法の改正案が、国会で審議中だ。実はこれは私立大学と同様の“経営と教学の分離”を、全国立大で導入可能にするものだ。企業経営者など学外理事も増強となる。これにより、教員と異なる経営センスを国立大に求める流れは、さらに強まりそうだ。  改正の柱の一つは私立大と似た仕組みの導入だ。私立大では経営を見る学校法人トップの「理事長」と、大学の教学(教育・研究)に責任を持つ「学長」がいる。  これに対して法人化後の国立大は理事長を置かず、学長が法人の長と大学の長を兼ね、数人の理事を束ねてきた。  86国立大は現行のままでもよいが法人の長「理事長」と、大学の長「大学総括理事」つまり大学を総括する筆頭理事を置く形が可能になる。理事長には寄付集めや施設整備など経営で手腕を発揮してもらう。文部科学省は「強化のため切り離すべきだと考える大学に向けて、選択肢を多くした」(高等教育局国立大学法人支援課)と説明する。  名大などの1法人複数大学制(アンブレラ方式)の場合、法人の長の理事長1人に、大学それぞれの大学総括理事を置く。法人の長を1大学の大学総括理事が兼ねることもできる。もっとも「東海国立大学機構」といった仮称も出ており、日常的には厳密でなく「機構長」や「学長」などが呼称として使われる見込みだ。  改正のもう一つは外部理事の複数化だ。国立大は規模によって理事(学長は含まない)数が3―8人と定められ、うち1人は外部人材だ。これを理事4人以上の規模の大学で「学外理事を2人以上」とする。ただし「非常勤の学外理事なら枠を追加可」とする。  これは現役の経営者などを非常勤理事で迎えるなら、学内理事枠を減らさないでよいという意味だ。トップの体制も理事枠も、横並びを求めるものではない。各大学の特徴を生かした独自判断に任されることになる。 (文=山本佳世子)

続きを読む

関連する記事はこちら

特集