照明の色で運転手に異常知らせる、高速道路のハイテク技術

星和電機 新名神高速にシステム納入

緑色の光でトンネル内の定速走行を支援

 新名神高速道路の高槻(大阪府高槻市)―神戸間(神戸市、2018年3月開通)には、トンネル内の安全向上に向け、照明灯具を用いた先進技術が導入されている。トンネル内の異常発生時に照明色を変え、運転手に注意を促すサイン照明や渋滞緩和を狙ったペースメーカーライトだ。提案したのは道路照明や道路情報板などを手がける星和電機。同社は道路向けで冠水や津波を知らせるシステム、地滑り検知センサーなども手がけている。  トンネル事故発生時に後続車や対向車の運転手に危険を知らせ、追突などの二次災害を防ぐのがトンネル防災システム。備え付けの消火器箱のボタンを押すと、トンネル坑口の表示板で事故発生を知らせ、道路管理者や消防などに自動通報する仕組み。星和電機も多くの納入実績をもつ。  同システムの機能を高める先端技術の一つが、新しいサイン照明。トンネル内の監視カメラなどとも連動し、通常時の発光色は白色で、車両火災などが起こると赤色点滅し、事故や落下物、故障車などの場合は黄色点滅する。情報板の表示を見落としても、運転手は異常を察知できる。  一方、ペースメーカーライトは進行方向に緑色の光が走る。人の光を追う心理を用い、複数台の走行速度が一定になるよう促す。「遅い車や速い車が少なくなる」(初田健治営業本部営業企画部営業企画課課長)という。  監視カメラ情報をもとに渋滞兆候や複数台で速度差があると、制限速度などの速さで光が自動で流れる。実際は、等間隔で天井左右に設置したトンネル照明が素早く順次点灯する。人の目にあたかも光が流れているように映り追従するという。事故発生時などは発光色を変え、流れもペースダウンし、二次災害を抑制。事故解消後は流れを速め、速度回復させる。運用するNEXCO西日本によると、運転手へのより一層の周知と、より良い点灯手法などを検討しているという。  星和電機は一般・高速道路問わず、全国津々浦々で多様な道路情報板を納入してきた。防災用途では周辺地面より低い道路「アンダーパス」向け冠水警報表示システムや津波情報表示システムなども展開。システムのベース部分の仕組みはいずれも同じ。冠水警報表示システムはゲリラ豪雨などの対策向けでアンダーパスの水位を常時監視し、一定を超えると注意や通行止めを電光表示、サイレンで知らせる。津波情報表示システムは気象庁や自治体などからの津波情報を迅速に表示し、サイレンで注意喚起する。  山あいの道路などには地震での崩落、落石、道路崩れなど検知する地滑り検知センサーも展開している。フェンスに張ったワイヤや光ファイバーが切れるのを監視している。カメラで昼夜監視するタイプも投入する。  国内は老朽路線が多く対応も待ったなし。多数の国際的イベントを控え再整備や修繕需要増加も期待できる。先端技術を用い、より正確で効果的な情報伝達を実現していく。 (文=京都・松中康雄)

続きを読む

関連する記事はこちら

特集