正念場の千代田化工が抱える再建への要

再生エネルギー分野の受注が拡大

北海道で受注した蓄電池システム(完成予想イメージ)

 千代田化工建設の経営再建策の取りまとめが正念場を迎えている。米国での液化天然ガス(LNG)プラントの建設で巨額の損失が発生し、筆頭株主の三菱商事などから3月末をめどに財務支援を受ける予定が遅れる可能性が出てきた。2018年12月末の自己資本比率が同年9月末比5・0ポイント減の7・7%に低下し、資金調達が急がれる。一方、再生可能エネルギー分野の受注が拡大し、立て直しへの足がかりをつかみ始めている。  「11月に説明した財務強化の方針に変わりはないが、(結論が出る時期が)若干遅れる可能性がある」―。山東理二社長は、機関投資家向けに開いた18年4―12月期連結決算の電話会議でこう説明した。  千代田化工は同年10―12月期に米ルイジアナ州とインドネシアのLNGプラント案件で追加費用を計上したものの、同年11月に公表した当期赤字1050億円の業績予想は修正しなかった。顧客と追加費用を回収する交渉を進めているためだが、業績がさらに悪化する懸念は残る。  幸いにも受注環境は好転している。千代田化工は米テキサス州でLNGプラントを受注し、設計と調達を手がける。建設を連携相手に任せて、ルイジアナ州の案件での教訓を生かす。19年1―3月期に受注高約3000億円を計上し、受注残高は約1兆円に積み上がる見通しだ。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の山崎みえアナリストは「(テキサス州の案件を発注した)米エクソンモービルとカタール国営石油が、千代田化工に仕事を割り振ったのは財務支援の交渉が進んでいるからではないか」と分析する。  LNGプラントが業績を悪化させるのとは対照的に、再生エネ分野は比較的好調だ。北海道での風力発電関連の実証に必要な蓄電池システムを受注した。以前にバッテリーの組立工場を手がけており、蓄電に関連する知見を役立てた。実証後も商用で稼働するという。  遠藤英樹理事は「地域分散型電源を整備する上で、エンジニアリングの要素を取り入れる」と強調する。気候の影響を受けやすい再生エネの普及には蓄電が不可欠で、電力の供給網を支える立場を確保できれば収益の安定化につながる。  また洋上風力発電設備の受注に向けた準備も進めている。「少なくとも(発電容量が)10万キロワット級の案件」(遠藤理事)が見込まれており、参入するメリットは小さくない。財務支援を受けるには再生エネ分野を軸に、受注環境や案件の採算悪化の影響を受けにくい体制への転換を示すことが求められる。 (文=孝志勇輔)

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