水が使えなくなる?飲料水優先、生産水の確保は大丈夫か

「水ストレス」に直面する人口は世界で7億人。新たな経営リスクに

 投資家が企業の水使用に注目している。機関投資家の立場で企業に環境情報開示を求める英国の非営利団体CDP(旧カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)は、2014年に続き15年も日本企業に水使用にかかわる質問状を送った。世界の大企業500社には10年から送付しており、15年は採点結果を一部開示する。  かつて企業の水問題といえば工場排水による水質汚染だった。しかし新たな経営課題が浮上している。生産に使う水が十分に確保できないと操業に支障が出る。水道料金の上昇もコストを圧迫する。企業は日常から、こうした経営に影響する「水リスク」を意識しているだろうか。  大半のメーカーは、水資源の豊富な土地を選んで工場を建設している。海外進出時も現地の水環境を確認しているはずだ。しかし新興国では人口増加や生活の都市化で水需要が増え続けており、将来の水不足が心配される地域が出てきた。  国連によると現在、十分な水が手に入らず生活に不便を感じる「水ストレス」に直面する人口は世界で7億人。今後の人口増加と経済発展で25年には世界人口の3分の1が水ストレスにさらされると予想される。飲料水が優先されるため、生産用水の確保が課題となる地域が増える。  企業側も水リスクを意識し始めている。14年のCDPの調査では、質問状が届いた日本企業150社中、回答したのは65社。そのうち47%が水リスクを認識していた。潜在的な影響としては操業コストの上昇、成長に対する制約、サプライチェーンの混乱、事業所の閉鎖との回答があったという。  CDPの調査は500社以上の金融機関が投資判断の材料にしている。15年の調査には、さらに多くの日本企業が回答したと思われる。  1日から7日までは「水の週間」。CDPから質問状が届かなかった企業も、ウェブサイトに公開している質問状を参考に工場立地する地域の水資源を改めて調査してみてはどうか。リスクに最も有効なのは、早めの対策だ。

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