被災地復旧の最前線に温かい食事を

ホリカフーズ、缶詰のノウハウを生かして商品開発

レスキューフーズ 一食ボックスには、食品と発熱剤・発熱溶液を透明袋に入れ、箱に詰め戻して30分で温かい食事ができる

 地震をはじめとする自然災害が発生すると、復旧・救助作業をするために、多くの作業員や医師などが被災地入りする。ストレスの高い環境の中でホッとできるのが食事の時間だ。ホリカフーズ(新潟県魚沼市、川井義博社長、025・794・2211)の防災食「レスキューフーズ 一食ボックス」は、水と火を使わずに30分で加温できる。メニューもカレーライスや中華丼など、平時に食べ慣れているメニュー5種類を用意。過酷な状況下でも温かい食事が楽しめると好評だ。  ホリカフーズという名は、旧社名である堀之内缶詰を略したもの。旧社名の通り缶詰がメーン商品で、自衛隊の糧食用アイテムや患者用流動食などを開発・生産してきた。  1995年に発生した阪神・淡路大震災で復旧作業員が飲まず食わずの作業を強いられたことから、こうした現場でも温かい食事ができることをコンセプトに開発。缶詰で培ったノウハウを生かし、03年に初代のレスキューフーズを発売した。  04年には魚沼市に隣接した長岡市を震源とする最大震度7の新潟県中越地震が発生。同社も被災し、従業員は初代レスキューフーズで食事を取った。だがメニューが2種類しかなく、ほかのものを食べたいとの声が上がった。これが「現在のレスキューフーズ開発の導火線になった」(同社担当者)という。  10年に投入した一食ボックスは東日本大震災や北海道胆振東部地震などの現場でも活躍した。一食ボックスは、ボックスから専用の袋を取り出し、アルミ主体の発熱剤と、包装した食品を入れる。袋をボックスに戻し、袋の中に発熱液を注ぐと30分で食品が温まる。屋外でも十分温かい機能性が支持を集めた。  各食材をアルミとフィルムを重ね合わせた包材で包むなどして3年以上保存でき、箱の平積みで保管できるのも特徴だ。一食ボックスのほか、レスキューフーズは缶詰のみそ汁や筑前煮など計約30種類でシリーズを構成。缶詰をおかずに一食ボックスを食べることもできる。  製品開発で心がけていることがいくつかある。まず野菜を多く使うこと。自身も中越地震で被災した営業部の高野正成氏は炭水化物ばかりの非常食を食べ、便通が悪くなったり口内炎ができたりした経験を持つ。「同様の声をお客さまから聞くこともある。栄養のバランスを重視している」(同)。  またカレーは粘り気を抑え、牛丼はつゆを多めにしてかき込みやすくした上、味もさっぱりめにしている。水をあまり飲まなくても済む商品設計とした。被災地では水が貴重だからだ。  注文数は年を追うごとに増え、現在は年数千件の注文が寄せられる。種類の拡充も検討している。担当者は「1週間単位で作業に当たる人や、食の好き嫌いにも対応できる製品群にしたい」(同)とその理由を話す。今後も、災害からの復興を食の面から支え続ける。

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