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“安全運転”で動き出したテレマティクス保険!

「自動運転」責任の所在など課題残る
“安全運転”で動き出したテレマティクス保険!

ソニー損保は小型計測器を車内に設置し、運転特性を数字で測定

 産業革新機構は5日、走行する車両から集めた情報をもとに保険や車両管理など多様なサービスを開発するベンチャー企業のスマートドライブ(東京都渋谷区)に最大で6億6000万円を出資すると発表した。スマートドライブは情報を集めるデバイスと情報処理プラットホームの両方を手がけており、さまざまな車やサービスで使える横断的なプラットホームを提供できる。同社にはアクサ損害保険から出資も決まっており、「(運転特性によって保険料を割り引く)テレマティクス保険向けを入り口にしたい」(北川烈社長)という。

 このほか運転履歴を中古車販売に活用するサービスや、法人向け車両動態管理サービスを開発する。同社のデバイスは自動車整備用ポートのOBD―IIに接続し、約150種の情報を取得。スマートフォンと連携して必要な情報だけ分析サーバーに送る。
(2015年8月6日付)

SBIとZMPが新保険商品の開発へ


 SBIホールディングスは30日、自動運転ベンチャーのZMP(東京都文京区)と共同で、運転特性によって保険料が変わる「テレマティクス保険」などの開発に向け検討を始めると発表した。ウェアラブル端末で健康状態を計り、適正な保険料を算定する生命保険の開発も構想。ZMPの技術とSBIグループの保険開発ノウハウを持ち寄り、新保険商品の開発を目指す。
(2015年7月31日付)

パイオニアと東京海上日動火災が協業


 パイオニアは22日、東京海上日動火災保険と法人向け自動車保険のテレマティクスサービスで協業すると発表した。東京海上日動が2015年度中に始める新サービス「ドライブエージェント」に、パイオニアのバックミラー型車載端末やクラウドネットワーク上での運転分析技術などを活用する。事故時の対応をより迅速にするほか、安全運転を支援する。

 同サービスでは事故が起きた時に車載端末が衝撃を検知し、自動でコールセンターに連絡する自動発報機能を業界で初めて付ける。また車載端末のドライブレコーダー機能で撮影した画像をセンターに送り、事故対応を迅速に行う。また車載端末が車線逸脱などを検知して運転者に警告するほか、運転状況をクラウド上で分析、指導して、事故の削減につなげる。

 同サービスは10台以上で契約する自動車保険フリート契約を結ぶ法人を対象に有償で提供する。同サービスを導入した車両向けには保険料の割引適用を検討する。
(2015年6月23日付)

あいおいニッセイが「つながる自動車保険」


 あいおいニッセイ同和損害保険は5日、トヨタ自動車のテレマティクス(車用情報通信)技術を活用した自動車保険「つながる自動車保険」を4月に発売すると発表した。走行中のデータをITを通じてデータセンターに集め、自動車保険料や安全運転のサービスなどに反映させる。2015年度は1万800台への適用を目指す。

 トヨタのテレマティクス「T―コネクト」を搭載したトヨタ車種が対象。走行距離や運転時間などをスマートフォンなどを通じて「トヨタデータセンター」に送り、分析した上で各種サービスに活用する。
 保険料には実際に走行した距離を1キロメートル単位で反映させて、走行距離が短かいほど保険料が安くなるようにする。さらに前月分の走行情報を分析して、運転手の特性に合わせた安全運転のアドバイスなどもスマホなどのアプリを通じて配信する。

 損保業界ではITを活用し、自動車の走行データをビッグデータとして自動車保険などに反映させる取り組みが広がっている。損保ジャパン日本興亜も東芝と連携し、法人を対象としたサービスを3月から始める。
(2015年2月6日付)

日本損害保険協会会長「協会として研究続ける」


 鈴木久仁あいおいニッセイ同和損害保険社長
 「自動運転で事故が発生した場合、責任の所在など保険の面でどう対応していくのか複雑な問題があり、一朝一夕にはいかない。ただ、新技術の一環で、情報通信技術を活用して走行距離などを自動車保険料に反映させるテレマティクス保険などを各社が投入している。協会として本格的な組織作りには時期尚早な面があるが、従来と同様に研究は続けていく」
(2015年7月1日=インタビューから抜粋)

日刊工業新聞 2014年12月10日 金融面
中島賢一
中島賢一 Nakajima Kenichi
テレマティクス保険は保険料を抑えるだけでなく、安全運転を促すものとして非常によい仕組みだと思っています。すでに市場に出回っている車にも走行の評価が出るものも多く、私もこの数値を気にして運転するおかげで燃費よく走ることもできています。

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