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世界初の印刷でつくる電池。IoTやウエアラブル機器を変えるか

リコーが21年度に実用化へ
世界初の印刷でつくる電池。IoTやウエアラブル機器を変えるか

二次電池のデジタル印刷製造の概念図(同社発表資料から)

 リコーは29日、リチウムイオン二次電池をインクジェット(IJ)印刷技術で製造できる技術を開発したと発表した。主要部材である正極と負極、セパレーター(絶縁材)の材料をインク化し、デジタル技術で印刷することで自由な形の二次電池の製造が可能となる。2021年度に実用化し、量産から2年後に売上高で数百億円を目指す。

 電極材料のインク化に成功し、低粘度で濃度の高いインクをヘッドから吐出して印刷する。デジタル印刷化したことで設計の自由度が高まり、形状の自由な電池の製造につながる。当面はIoT(モノのインターネット)機器やウエアラブル端末など小型機器向けに技術提案する。将来は電気自動車(EV)など車載向けへの展開も視野に入れる。
日刊工業新聞2019年1月30日掲載
梶原洵子
梶原洵子 Kajiwara Junko 編集局第二産業部 記者
容量や製造コストが気になります。小さくて高容量の電池を開発すれば、既存の製造方法であっても、センサーやウエアラブル機器に搭載する電池は小さくてすみます。リチウムイオン電池自体が進化の途中なので、今後も注目していきたいです。

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