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2018年を代表する新製品は話題の抗インフル薬

2018年第61回十大新製品賞、増田賞に塩野義製薬「ゾフルーザ錠」
2018年を代表する新製品は話題の抗インフル薬

増田賞を受賞する手代木塩野義製薬社長(左)

 日刊工業新聞社は24日、東京・大手町の経団連会館で本社選定「2018年第61回十大新製品賞」の贈賞式を開いた。来賓の文部科学省の松尾泰樹科学技術・学術政策局長は「一つひとつの努力や商品が日本のイノベーションを支えていることに、あらためて敬意を表したい」とあいさつした。

 経済産業省の渡辺昇治大臣官房審議官は「いずれも50―60年後に振り返ると、あのときの製品が日本を支えてきたと思われるようなものばかりだ」と受賞各社をたたえた。

 抗インフルエンザ薬「ゾフルーザ錠」で「増田賞」を受賞した塩野義製薬の手代木功社長は「ライフサイエンス、モノづくりを頑張っている日本のいろいろな企業に大きな勇気を与えてくれた」と力強く語った。

受賞各社の喜びの声


歓談する受賞者ら

 第61回十大新製品賞の受賞パーティーが24日、都内で開かれた。受賞者を代表してアマダホールディングス/アマダの磯部任社長が「切磋琢磨(せっさたくま)して日本のものづくり産業をもり立てていきたい」とあいさつ。NECの新野隆社長は「社会課題を解決していきたい」と述べた。乾杯の音頭をオークマの花木義麿社長がとり、製品開発を通じて「働き方改革などに貢献していきたい」と熱い思いを示した。

【塩野義製薬・手代木功社長】
伝統・栄誉ある増田賞の受賞は、全従業員にとって非常に大きな喜び。日本はまだまだやれる。我々の力で新しい製品を世界に出していきたい。

【アマダホールディングス/アマダ・磯部任社長】
名誉ある賞をいただき光栄だ。お客さまの声を聞き、進化した板金加工機械を開発した。製造業の課題を解決し産業発展に貢献したい。

【NEC・新野隆社長】
力を入れている生体認証で評価を得たことは喜ばしく、励みになる。日本の技術力を高め、国際競争力の向上につなげるのは我々の使命でもある。

【オークマ・花木義麿社長】
人手不足に悩む中小企業のロボット導入の障壁を下げた製品だ。省スペース性、操作性を高め、切りくず除去など加工支援もする。評価されうれしい。

【川崎重工業・笠正憲理事】
低炭素社会の実現に向け、環境性能に優れ高効率の「M5A」ガスタービンがコージェネレーションの普及促進という重要な役割を担っていきたい。

【ソディック・古川健一社長】
形彫り放電加工機は祖業。今回は当社の先端技術をすべて載せた。他製品の応募も考えたがこれにこだわった。社長就任初年度の受賞でうれしい。

【日立製作所・柴原節男執行役専務】
研究所や開発部門を中心に社員の励みになる。当社がモノづくりと遠のいているとの指摘もあるが、ストレージ分野に投資していきたい。

【ファナック・内田裕之副社長】
大変感激している。開発や販売担当者には一層の弾みがつき、ますます「ロボナノ」のレベルアップに全力を尽くしてくれると思う。

【富士通・田中達也社長】
量子の振る舞いに着想を得たこの商品は現行では難しい組み合わせ最適化問題を高速で解ける。受賞の成果は世界各地域のお客さまにもアピールしたい。

【安川電機・林田歩理事】
当社が掲げる生産性向上のためのソリューションコンセプト「アイキューブメカトロニクス」の根幹を担う中核ツールで受賞でき、大変うれしく思う。

【ヤマザキマザック・長江昭充副社長】
歯車加工用にホブ、スカイビング、エンドミル加工の3機能に計測、操作性を高めるソフトウエアを盛り込んだ。評価され大変うれしい。

【島津製作所・向紀雄分析計測事業部MSビジネスユニット長】
まさか受賞できるとは思わなかった。技術的には非常に難しかったもので、開発者の苦労が報われて喜んでいる。

【シャープ・石田佳久取締役副社長執行役員】
有機ELディスプレーを搭載した国内初のモデルとして評価されうれしい。今後もスマートフォンの付加価値を高めていきたい。

【ダイヘン・蓑毛正一郎取締役常務執行役員】
とても光栄だ。蓄電池関連はエネルギー管理の手段の一つとして強化している分野。受賞を契機に力を一層入れていきたい。

【MUJIN・滝野一征CEO兼共同創業者】
栄えある賞をいただき大変光栄だ。今回の受賞で内外の営業にも弾みがつく。おかげさまで各方面から引き合いが来ている。
【同・デアンコウ・ロセンCTO兼共同創業者】
受賞できて大変うれしい。この商品は業界にとっても、非常に意味のあるソリューションだと思っている。今後の励みになる。

【キタムラ機械・北村彰浩社長】
過去の成功を固持するだけでは衰退する。イノベーションの必要性をひしひしと感じ、今回の製品を開発した。受賞が起爆剤になれば幸いだ。

【ジェイテクト・井土雅裕執行役員】
使う人や保守する人の立場になって、設計、製造、サービスの若手を中心に開発した。受賞で開発陣の士気が上がった。みんな喜んでいる。

【不二越・伊東輝樹ロボット開発部部長】
光栄な賞をいただき大変うれしく思う。この賞で機能安全や本質安全の開発で苦労した担当者も報われた。感謝している。

【三菱電機・都築貴之FAシステム統括部長】
予防保全など世の中で必要とされる技術で受賞でき大変光栄。これを励みに産業界に貢献できる技術をさらに開発していきたい。

受賞製品・起業の一覧はこちら/第61回十大新製品賞
日刊工業新聞2019年1月25日

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