デンソー、貿易摩擦で悪影響も中国市場で攻めの姿勢

有馬浩二社長インタビュー

「中国の自動車市場はまだ伸びる」と有馬社長

 ―2025年度の数値目標の売上高7兆円(18年度は5兆4000億円予想)に向けてハイペースです。 「これから3年くらい後に状況が変わってくる。CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)に各社が対応し、いろいろなプレーヤーもこれまで以上に出てきている。我々も種をまいてきており、その種がこの3年間でどのように実り、刈り取れるかで数字は変わる」 ―香港から輸出している電子部品が、追加関税による米中貿易摩擦で年間数十億円の悪影響を受けています。 「我慢にも限度がある。どうしても香港中心に送らないといけない部品や、先を見てもそのほうが良い場合は続けるが、供給元を変えて送るなど調達先とルートを考える」 ―20年6月に羽田空港跡地エリアに自動運転技術の新拠点を開設し、東京で自動運転の研究開発・実証の一貫体制を整えます。 「日本での自動運転の状況を踏まえると、人材が東京に集まりやすく、そこを一つの実験場にしたい。東京五輪などのイベントも活用するためにタイミングと場所を決めた。自動運転の実証では、行政のトップが自動運転に対する認識やリーダーシップが強いと進めやすい。世界に目を向けても実証実験しやすいところに出向いて、メンバーの一員として参加していきたい」 ―ルネサスエレクトロニクスやJOLED、ベンチャー企業などへ積極的に出資しています。 「ルネサスやJOLEDも含めると、この1年は20件以上、1200億円程度は出資した。これくらいの規模は19年も出資するかもしれない。人的な投資やアライアンスへの投資を増やしていこうとしている。借金してでも、このタイミングだとこことはきっちり組んでいこうという案件も出てくると思う」 ―18年8月に「中国部」を設立しました。 「中国の自動車市場は約3000万台で、まだ伸びる見込み。マスが多く魅力がある。リスクを考えて慎重な投資をしてきたが、(現在拠点のある)天津市と広州市のほか、中央部も含めて中国全体でキャパシティーの最適配置や供給体制の再編を考えている」 【記者の目】  トヨタ自動車グループの部品メーカーと4月に、自動運転向け統合制御ソフトウエアと電動車用駆動モジュールを手がける新会社をそれぞれ設立予定など「種まき」を進めるデンソー。ベンチャー出資も年々増加しており、ここにきて大型案件も出始めている。有馬社長が強調する今後3年間はCASEの動きが活発化する時期であり、目利きと実行力が試されている。 (日刊工業新聞名古屋支社・今村博之)

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