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ディズニーランド、過去最大750億円を投じるパーク拡張で実現したいこと

映画「美女と野獣」をテーマにした大型アトラクションなど建設
ディズニーランド、過去最大750億円を投じるパーク拡張で実現したいこと

開業後のイメージ(オリエンタルランド提供)

 東京ディズニーランド(TDL)で、パーク拡張の準備が着々と進んでいる。オリエンタルランドは2018年12月上旬にTDL内で開発中の新エリアの建設工事現場を報道関係者に公開。同エリアの開発面積は約4万7000平方メートル。TDLで過去最大の約750億円を投じ、ディズニー映画「美女と野獣」をテーマにした大型アトラクションなどを建設、20年春の開業を目指している。

来春華麗に変身


 現在は建築途中の建造物の鉄骨がむき出しの殺風景な工事現場が、約1年4カ月後には華やかな夢の国に生まれ変わる。新エリアの中央部分では、高さ約30メートルの複数の柱を建設中で、この柱は「美女と野獣の城」の塔の一部となる。TDL内では約50メートルのシンデレラ城に次ぐ高さの建造物として、新たなシンボルとなることが期待されている。

美女と野獣の城の中に置かれる大型アトラクション「美女と野獣“魔法のものがたり”」は、新エリアの目玉となりそうだ。深皿型の乗り物に乗って数々の映画の名シーンを体験できる同アトラクションでは、体験時間を約8分と長めに設定する予定で、ロマンチックな冒険の旅をゆっくり楽しめるという。

バリアフリー化


 美女と野獣の城のそばには、TDL初の本格的な屋内シアター「ファンタジーランド・フォレストシアター」が登場する。定員は約1500人を予定。天候が悪い日でも、心地よい空間でTDLのオリジナル公演を満喫できそうだ。

 バリアフリー化も推進する。新エリア内に設置するディズニー映画「ベイマックス」をテーマにしたアトラクションでは、経路の段差を減らすように設計する。技術本部エリア開発プロジェクトチームの古沢英紀チーフリーディングスタッフは「子どもから高齢者、障がい者まであらゆる人が楽しめるエリアにしていきたい」と意気込みを語る。

ホテルも新設


 また、パーク拡張で来園者の宿泊需要が高まることを想定し、21年度をめどにディズニーホテルを新設する。同ホテルは映画「トイ・ストーリー」をテーマとし、スタンダードタイプの客室で統一する。一方、22年度までに約2500億円を投じて実行する東京ディズニーシー(TDS)の大規模拡張計画には、高級タイプのディズニーホテル新設も盛り込んでいる。

 現在、開園35周年イベントが盛況で、18年度のTDLとTDSの両パークの入園者数は過去最高水準で推移する。混雑の解消がパーク拡張の大きな狙いだが、多様なニーズにもきめ細かく応えることでファンの心をつかみ続ける考えだ。

TDLで開発している新エリアの工事現場(オリエンタルランド提供)

(文=陶山陽久)
日刊工業新聞2019年1月9日

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