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商用車にもドラレコ、損保大手が貸し出し対象拡大へ

事故の抑制や事故時の迅速な対応を訴求
商用車にもドラレコ、損保大手が貸し出し対象拡大へ

契約者に貸し出すドラレコには安全運転を支援する機能を搭載(イメージ)

 損害保険大手各社は自動車保険の顧客に貸し出すドライブレコーダーの対象車種を拡大する。東京海上日動火災保険は1月から、自家用車のみに限定していたドラレコの対象を商用車にも広げ、二輪と原付き以外の全ての自動車に提供する。損保ジャパン日本興亜も自家用車に絞っていたが、二輪と原付き、大型を除く全ての車種に広げる。商用車を持つ企業からドラレコを使いたいとの要望が強かった。対象を広げて、顧客利便性の向上につなげる。

 損保大手各社は主力の自動車保険の特約として、ドラレコを契約者に貸し出している。各社のドラレコには通常の録画機能に加えて安全運転を支援する機能や通信機能などを搭載。事故の抑制や事故時の迅速な対応をこぞって訴求している。

 これまで特約の対象は個人が所有する自家用車に限定してきた。一方、法人に対しては、商用車を10台以上所有していれば「フリート」と呼ぶ団体契約を結ぶことが可能で、フリート契約先の運送事業者などにはドラレコやスマートフォンなどを用いた独自の安全運転管理サービスを提供している。

 ただ一方、所有する商用車が10台未満の企業はいずれのサービスも受けられない課題があった。1月から商用車に対象を広げることで、商用車を少数抱える小規模企業や個人事業主でも自動車保険にドラレコの特約を付帯できるようになる。

 東京海上日動が提供するドラレコは、事故の大きな衝撃を検知すると自動で同社の提携企業に連絡を入れる機能などが備わっており、必要に応じて消防などに通報してくれる。さらに、車が事故多発場所に近付くと運転者に注意を促す。

 損保ジャパン日本興亜のドラレコは、適正な車間距離を運転手に警告する機能などがあるほか、ドラレコが収集した運転データをもとに毎月運転診断リポートを作成。運転の改善に使ってもらう。さらに、事故時には提携の警備会社のガードマンが駆けつけ事故対応を支援する。

 三井住友海上火災保険とあいおいニッセイ同和損害保険も、安全運転支援機能を備えたドラレコを自動車保険の特約として1月から提供する。当初は提供を自家用車に限定するが、商用車のニーズが高まれば対象の拡大も検討する方針だ。
日刊工業新聞2019年1月1日

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