東京五輪開催へ、都市再開発の旗印は“取り戻す”

不動産大手が開発加速

東京ミッドタウン日比谷の開業日はオープン前から行列ができた

 2020年の東京五輪・パラリンピックに向け、東京の街並みが変わり始めた。大規模再開発を手がける不動産各社に共通する旗印は「取り戻す」。その土地のアイデンティティーを継承した上で、かつてと同じくにぎわい、国際競争力を備えた街を志向する。10月には、閉幕後の選手村を活用する街づくりも本格稼働。東京の“進化”が見えてきた。  3月に「東京ミッドタウン日比谷」を開業した三井不動産。商業区画にはオープン前から1000人以上が並び、人の流れを変えたことを印象づけた。日比谷公園や近隣の映画館、劇場、ホテルなどと一体となって、日比谷の価値向上を追求する。思い描くのは、菰田正信社長がかねて強調する「多彩な機能を複合したミクストユースの街づくり」だ。  その目線の先には、三井グループの“お膝元”で進める「日本橋再生計画」がある。6月に「日本橋高島屋三井ビルディング」を完成。先行する室町地区と同じく、老舗と現代的な生活を提案するような店を共存。休日も幅広い世代の人が訪れる街に仕上げた。12月に着工した東京駅八重洲口一帯の再開発に向け、さらに連続したにぎわい形成に挑む。  東京駅近くでは、三菱地所も2月に「常盤橋プロジェクト」のA棟を着工。最先端の情報通信技術を駆使し、時間や場所にとらわれない働き方を探る。11月には、丸の内と有楽町の結節点と位置付ける「丸の内二重橋ビルディング」も開業。丸の内・大手町・有楽町地区を再構築し、ロンドンやニューヨークと並び立つ都市へと磨きをかける戦略だ。  一方、森ビルによる「虎ノ門ヒルズ」は11月に2棟目を上棟。東京メトロが直下に計画する新駅の名称に採用したことも、開発に弾みを付けた。日本橋や丸の内と異なり、あまり“色”が付いていない良さを訴求する。東急不動産も東急グループなどで進める渋谷駅周辺再開発で「渋谷フクラス」に着手。各社はさらに存在感を高める1年を迎える。 (文=堀田創平)

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