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汚染土壌などの資材化実証、中間貯蔵施設での実用化目指す

実証では、太平洋セメントの「乾式セシウム除去技術」を活用した
汚染土壌などの資材化実証、中間貯蔵施設での実用化目指す

仮設資材化施設全景(太平洋セメントの発表資料から)

 太平洋セメントは日揮など5社・団体と福島県飯館村で進めてきた環境省からの受託事業を完了し、同村に建設した施設を2019年3月末までに解体・撤去する。土壌や焼却灰から放射性セシウムを分離・除去し、工事資材としての再利用や管理が必要な放射性汚染物の減量を目的とした事業で、今後は、得られた技術やノウハウなどを生かして中間貯蔵施設での実用化を目指す。

 事業では飯館村内における約500トンの除去土壌と焼却灰から放射性セシウムを分離・除去し、放射能濃度を1キログラム当たり100ベクレル以下にした生成物を得ることができた。

 また除去した放射性セシウムを含む副産物の量を処理した土壌と焼却灰の約10分の1に減らすことができた。得られた生成物はコンクリート製品の骨材、盛土材など各種資材として使えることがわかった。

 同事業は14年に環境省に採択された「放射性物質の分離による焼却灰及び汚染土壌の資材化実証調査委託業務」。主に太平洋セメントが開発した「乾式セシウム除去技術」を用い、放射性物質の分離・除去、資材の再利用などを目指してきた。
日刊工業新聞2018年12月14日

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