資源循環で注目。今後の環境規格の国際議論は?

TC111の国際副議長に竹中みゆき氏

 国際電気標準会議(IEC)で製品の環境規格を策定する委員会「TC111」の国際副議長に竹中みゆきさん(日立ハイテクノロジーズ主幹技師)が就任した。規格づくりにも国益をかけた議論の応酬がある。新議長はフランス人専門家に譲ったが、竹中副議長は「欧州以外の国の意見を聞く役割がある」と語る。2005年から日本代表委員を務める竹中副議長に、現在の議論や日本に求められることを聞いた。  ―日本が輩出してきた議長にはなれませんでしたが、新設の副議長になった抱負は。  「議長はエコデザイン(環境配慮設計)、私は化学物質管理が専門なので役割分担ができる。また欧州以外の国の代表の声を拾っていくのが私の立場とも思っている」  ―投票は一国一票なので、票をまとめられる欧州が優位です。  「議長、副議長とも中立だが、意見を聞くことはできる。アジアの代表が増えてほしい。欧州からアジアへと化学物質規制が広がった。化学物質の試験方法を定めた国際規格は、欧州以外の国々でも大切だ」  ―日本に求められることは。  「仲間を増やせば負担が軽くなる規格にするように働きかけられる。日本はTC111に熱心に関与してきたので信頼がある。アジアの国の代表から『日本人は意見を聞いてくれるので、日本と組んで良かった』と思ってもらえるはずだ」  ―TC111の現在の関心事は。  「資源循環を経済成長に結びつけるサーキュラーエコノミー(循環経済)だ。エコデザインの視点では再生材の使用、化学物質管理では再生材に含まれる物質情報の伝達方法がTC111と関連する」  ―サーキュラーエコノミーも欧州発です。  「日本は長年、リサイクルに取り組んでおり技術の蓄積がある。規格の議論に参加し、技術力を生かせるようにするべきだ。先に規格を提案することが大事となる」 【記者の目/国際標準が欧州企業の利益】  竹中副議長は「欧州にとって規格は重要」と繰り返す。欧州規格を国際標準にすることが欧州企業の利益となるからだ。国際標準を狙うスピードも違う。サーキュラーエコノミーはフランスが国際標準化機構(ISO)へ規格化を提案した。IECでも論戦が始まった場合、欧州以外の国の意見を拾い上げる副議長の手腕に注目だ。(編集委員・松木喬)

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