脱「女性に優しすぎる企業」の挑戦

DIC、異業種合同で研修

リーダーシップを発揮し挑戦できる女性の育成を目指す(異業種と実施した研修)

 DICが女性の活躍に向け、意識改革に動いている。2017年度は女性社員の離職率は1%台にとどまり、平均勤続年数は男性を上回った。育児休業制度からの復職率は100%を維持している。一方で「女性に『優しすぎる』会社なのではないかという意見も出ている」(ダイバーシティ推進担当)。女性の活躍推進に積極的な異業種の企業と連携し、周囲を巻き込み“忖度(そんたく)しない”人材の育成を目指す。  ロープなど与えられた道具を使い、直接触ることなく、制限時間内にボールをバスケットに入れる―。11月下旬に開いた「異業種合同プログラム」の一つだ。同プロジェクトは女性の活躍推進に前向きなDIC、明治安田生命、日本精工、古河電工が集まって実施。課長職などのミドルマネジャーに就いたばかり、もしくはミドルマネジャーを目指す女性計15人が参加した。  冒頭のプロジェクトの目的は「前例のない仕事に取り組む際、課題解決に向け、チームでどのようにPDCAサイクルを回すか」。参加者は二つに分かれ、それぞれアイデアを出し合ったが、時間内に成功することはできなかった。見守っていた各社の人事担当者らは「“納期”を達成しようという意識が足りない」「リーダー不在で皆が受け身になっていた」と厳しかった。  DICは「21年に営業外勤職の女性占有率を15%から20%に引き上げる」といった行動計画を16年に公表。今年1月にはテレワーク制度を導入するなど、仕組み作りなどを進めてきた。一方で「女性の働きやすさに配慮するあまり、大変な仕事は男性が引き受け、結果的にキャリアを阻害している」(ダイバーシティ推進担当)との課題があった。  自分の立場を“わきまえて”行動する人が多いのも女性の特徴だという。社内で意見を言う際に、相手の役職や社歴などを考慮する傾向が強い。今回、異業種との研修に取り組んだ理由について担当者は「初対面の人と過ごす状況では、背伸びする必要がある。手を挙げてアイデアを出す経験を積むことで、成長できる」と説明する。  DICなどは19年1、2月にも、リーダーシップやコミュニケーションスキルの向上のための“気づき”を目的に同プログラムを開く予定だ。今後、参加企業の拡大も見込む。 (文=江上佑美子)

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