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地方都市でAR・VRのエンジニアが育たない・・・

エイムネクストが宮崎県でエンジニア育成事業に着手
 エイムネクスト(東京都港区、清威人社長、03・3453・3900)は、ITによる町づくりで協定を結んでいる宮崎県高鍋町で、拡張現実(AR)と仮想現実(VR)のエンジニア育成事業に乗り出す。同事業を手がけるサードウェーブ(東京都千代田区)と提携し、開発エンジン「アンリアルエンジン4(UE4)」の基礎技術を教える。周辺都市の個人や法人を対象に初年度10人の受講を予定する。

 高鍋町にあるエイムネクストの事業所に教育用の高性能パソコンなどを設備した。受講者は教本や映像を見ながら学習し、同社トレーナーがサポートする。2カ月間の期限で120時間をかけて基本を身に付ける。受講料は22万円(消費税抜き)。

 AR・VRはゲーム向けが中心だったが、工場の安全講習といった教育シミュレーションや観光、不動産販売などと活用の場が増えている。ただ、エンジニアの不足が指摘され、大都市に比べて地方都市では育成のための環境整備が進んでいないという。

 エイムネクストは2018年に高鍋町と「ITのまちづくりのための包括連携協定」を結んだ。行政コスト削減や公共サービス向上を目指したIoT(モノのインターネット)インフラの構築を進めている。AR・VR人材の育成は、農場の温湿度をセンサーでリアルタイムに遠隔監視するなどの活動に次ぐ第2弾。
築130年の古民家を移築・改装したエイムネクストの事業所(宮崎県高鍋町)
日刊工業新聞2018年11月28日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
情報産業労働組合の「ITエンジニアの労働実態調査2017概要」によると、20代のエンジニアが不足していると感じる企業が6割以上、30代に至っては7割以上の企業がエンジニア不足を感じてるようです。入社後の教育に満足な時間を割けない、十分な教育スキルを有していないと感じる企業も一定数いることから、エンジニアの教育機会は今後も重視されそうです。

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