認知症の病態を早く正確に診断する画像を!

認知症の病態を早く正確に診断する画像を!

MPPCモジュールと頭部PETの試作機

 浜松ホトニクスはアルツハイマー病など認知症の早期発見につながる頭部用陽電子放射断層撮影(PET)装置向けに、時間分解能が高く、早くて正確な診断を可能にする検出器(MPPC)モジュールを開発した。患者が動いても画像を補正できるため患者の負荷も軽減できる。今後、装置メーカーと連携し、薬事承認を経て早期の実用化を目指す。  頭部用PETは、患者に放射性物質を含む検査薬を注入。脳に集まった薬剤の代謝や物質の状態を検出し、断層画像化する。開発したモジュールは、MPPCと放射線が当たると発光するシンチレーター、信号処理用回路などで構成。MPPCは高感度で時間分解能に優れる。さらに、冷却方式に放熱効果の高い水冷式を採用し、低ノイズのきれいな画像取得を可能にした。PET装置の頭部を覆う円筒形状の部分に28個のMPPCモジュールを並べた検出器リングを4層にして搭載する。  アルツハイマー病の患者は健常者より脳のエネルギー代謝が悪いため、画像化で病態の早期発見につながる。従来の頭部用PETは患者が動かないよう拘束するなど、患者への負荷が大きかったが、開発品は補正機能により軽減できる。今後、装置メーカーとも協力し、「頭部用PETが普及しやすいビジネスモデルも検討したい」(岡田裕之グローバル・ストラテジック・チャレンジ・センタービジネス・アクセラレータ部長)としている。  今後、世界的に高齢化が進み、認知症患者が増加すると予測される。頭部用PET装置は認知症の早期発見のほか、他の病気や未知の領域を多く残す脳機能の解明に寄与する可能性もある。

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