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好調が目立つ不動産大手、通期はいずれも営業増益見込み

4-9月期をけん引したのは販売増加や賃料引き上げが効いた3社
 不動産主要5社の2018年4―9月期連結決算は、5社合計の営業利益が前年同期比11・7%増の4019億円と大きく伸びた。10月以降の完成・引き渡し物件を多く抱える2社が営業減益に陥ったものの、住宅・オフィスビルの販売増や賃料の引き上げなどが寄与した3社がけん引した。通期は5社とも営業増益を見込む。

 住友不動産は売上高と営業・経常・当期の各利益で過去最高を更新。分譲マンションを中心に過去最大の4257戸を引き渡した不動産販売事業は、営業利益が同24%増と大きく伸長した。また不動産賃貸事業も東京のオフィスビルを中心に好調で、営業増益を確保した。

 三井不動産はオフィスビルの新築費用がかさんだ半面、既存ビルの賃料改定や商業施設の稼働が貢献。国内外のマンション分譲も伸びた。一方、10月に完全子会社化した三井ホームは営業損益が11億円の赤字となった。ただ、赤字幅は前年同期より縮小している。建物の完成・引き渡しが集中する来春を経て、通期での黒字化を見込む。

 三菱地所もオフィスビルの新設や賃料改定が営業増益に寄与。4―9月期は営業・経常・当期の各利益で過去最高を更新した。新築ビルの増加で足元のオフィス空室率は上昇しているが、空き室になった既存オフィスへの入居(跡貸し)は順調。今後5年のオフィス需給も底堅いと見ている。都心部の分譲マンションも好調で、通期販売は前期比6・7%増を計画する。
          
日刊工業新聞2018年11月14日

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