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立ち姿のまま“座る”椅子で手術室の働き方改革

ニットー、姿勢固定具で医療従事者の足腰を守る
立ち姿のまま“座る”椅子で手術室の働き方改革

医療従事者の立ち仕事を負荷軽減するアルケリス(使用イメージ)

 ニットー(横浜市金沢区、藤沢秀行社長、045・772・1371)は、装着型姿勢固定具「archelis(アルケリス)」を開発し、レンタルでの運用を始めた。立ち姿勢を保持しながら“座る”ことができ、立ち仕事の負荷軽減を図る。医療機関向けに出荷し、医療従事者の疲労軽減につなげる。

 オリンパスメディカルサイエンス販売(東京都新宿区)とジンマー・バイオメット(東京都港区)を通じて全国展開する。レンタル価格は1年契約で月5万6000円(消費税抜き)。目標は1年間で100台。当面は医療機関向けにレンタルするが、問い合わせが多い製造業など他業界への供給拡大や海外展開も検討する。

 アルケリスは片足ずつのセパレートのため装着して歩くことができる。アルミニウムと鉄、ABS樹脂製で、寸法は幅17・5センチ×奥行き28センチ×高さ78・5センチメートル。装着できるのは身長160センチ―185センチメートル、体重80キログラムの人まで。足、すね、ももの3点をベルトで止めればすぐに使える。電源を使わないため医療機器への電波干渉の心配や充電の必要がない。

 医療の現場では腹腔(ふくくう)鏡手術など患者の負荷を減らす取り組みは進む一方、医師や医療スタッフが長時間の立ち姿勢で手術に携わることが増え、腰や足への負担が増しているという。
日刊工業新聞2018年11月13日

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