人手不足や高齢化を商機に、エレクトロニクス関連企業の一手

業務などのサポート機器相次ぎ投入

地方自治体に避難情報の自動受信機を使った高齢者見守りサービスを提供(凸版印刷のあんしんライト)

 少子高齢化に伴う人手不足や高齢者の増加を商機と捉え、エレクトロニクス関連企業が業務などをサポートする機器を相次ぎ投入する。ASTINA(東京都千代田区)は衣類折り畳みロボット、凸版印刷は避難情報の自動受信機、大日本印刷とNTTコミュニケーションズ(NTTコム)はバーチャルの店員の接客システムを開発した。単に人手不足を補うだけでなく、安心・安全を提供するなどサービスの質も高めている。  ASTINAは自動で衣類を折り畳む、たんす型ロボット「INDONE(インダン)」を2019年12月頃に発売する。従来製品に比べて低価格のインダンは、乾燥済みの衣類を入れると人工知能(AI)で衣類の種類や前後を判別し、折り畳んで六つの棚に仕分けて収納する。  同分野ではセブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ(同港区)が全自動衣類折り畳み機「ランドロイド」の開発を進めている。ランドロイドの消費税抜きの想定価格は185万円だが、ASTINAの儀間匠社長はインダンについて「(ランドロイドの)4分の1以下の価格にしたい」と意欲的だ。ロボットアームを使うランドロイドに比べて部品の数が少ないため、価格を抑えられるという。  人手不足に悩む地方自治体も多く、高齢者向けのサービスを維持できるかも課題だ。凸版印刷は自治体向けに、避難情報の自動受信機「あんしんライト」を使った見守りサービスを始めた。同ライトは電源をコンセントにつないで動かす。4本の単1電池を内蔵し、停電時でも使える。地震などの緊急速報や避難情報を受信すると、発光ダイオード(LED)やサイレン音・チャイム音、ディスプレーへの表示などで知らせる。スマートフォンを持たない高齢者や障がい者でも使いやすいという。  自治体から情報を受けた住民は本体の「確認ボタン」を押すと受信したことを知らせることも可能。従来の防災行政無線は地域住民に情報が伝わっているか自治体側で把握するのが難しかった。20年度に約30億円の売り上げを目指す。  大日本印刷とNTTコムは、客の発言や行動などに合わせてAIが商品を勧めたり質問に回答したりできるシステムを開発した。「バーチャル店員」の口が動いて音声が流れるほか、説明の内容をディスプレーに表示する。店舗のプロモーションや販売促進にもつながるという。  同システムは客が商品を手に取るとセンサーが反応して商品台が光り、テキストや音声での「会話」が始まる。客が香水を手に取ると「みずみずしく、爽やかなシトラスベースの使いやすい香水です」などと商品を説明する。  両社は19年3月までに開発したシステムを実店舗に提供し、販売促進などの効果を検証する。省人化や人手不足対策への活用が期待できる。 (文=福沢尚季)

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