星野リゾートが地方ビジネスホテルを買収する狙い

金沢、富山、広島、福岡のANAクラウンプラザホテル。都市型観光ニーズを掘り起こし

星野佳路社長

 星野リゾートは27日、ANAクラウンプラザホテルの4施設を、米国系投資ファンドの子会社から取得すると発表した。取得するのは、金沢、富山、広島、福岡のANAクラウンプラザホテル。取得額は、追加投資を含め、約400億円。  ANAクラウンプラザホテルはビジネスホテルだが、金沢や富山は北陸新幹線の開業で観光客の宿泊需要が高まっており、運営のノウハウなどを生かす。  星野リゾートでは、独自の市場調査の結果、地方都市のビジネスホテルが、観光客のニーズを十分に満たしていないと判断しており、ビジネスホテルの運営に参加することで、都市観光市場のニーズに合ったホテルのあり方を模索する。 日刊工業新聞07月28日3面   ―訪日外国人の拡大でホテル市場にはどのような影響がありますか。  「ホテルの稼働率は上がっているが、東京だけが様相が違うという感じで、東京と地方の差は大きい。訪日外国人は増えているものの、日本の国内観光の市場は年間二十数兆円と安定しており、星野リゾートも宿泊客の大半は日本人だ。サービスは日本人に支持されることが大事で、国内の旅行者の満足度を維持することが、訪日外国人の集客にもつながる」  ―16年に都市型の日本旅館「星のや東京」がオープンします。  「星野リゾートは世界の大都市に日本旅館を出すというのを目標にしている。80―90年代に日本のホテルが世界に進出したがうまくいかなかった。その反省を生かしたい。世界のどの都市でも、夕食をどの国の料理にするのかという選択肢と同様に、日本の旅館と西洋のホテル、どちらに泊まるかという選択肢はあってしかるべきだ。星のや東京は世界に進出するためのショールームであり、世界に出られるかというステップの場所でもある。ここで勝てなければ、世界には進出できない」  ―西洋のホテルと日本旅館の違いは。  「日本旅館の特徴は、セミプライベートであるということ。西洋のホテルは、ロビーやレストランに宿泊客でない人もいるが、日本旅館は宿泊客のみが玄関で靴を脱ぎ、くつろげる。そこが日本旅館の心地よさであり、譲ってはいけない線だと考えている。星のや東京が開業して、浴衣を着て、大手町を歩くようなことがあると面白い」  ―外国人が気軽に日本旅館に泊まれるようにするには、どうすればよいですか。  「日本旅館が快適性、機能性で西洋ホテルに負けていないということが大事で、それさえ担保されれば、外国人にも日本旅館が自然に受け入れられると思っている。機能的に足りないところを修正して、変えてはいけないところは変えない」

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