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富士通とエリクソンが提携、5G無線基地局を共同開発

NEC・サムスン電子陣営とつばぜり合い加熱へ
 富士通とスウェーデンのエリクソンは日本市場向け第5世代通信(5G)無線基地局の共同開発に合意した。エリクソンは国内通信事業者では唯一、NTTドコモに食い込めておらず、富士通との提携で活路を開く。富士通は今回の提携をテコに苦戦中の通信機器事業を立て直す。併せてエリクソンが実績を持つソフトバンクやKDDI向けビジネスに道を開く。5GではNECと韓国サムスン電子が提携しており、両陣営のつば競り合いが過熱しそうだ。

 5G商戦に向けて通信機器メーカーは基地局を含めて多様な製品・サービスを開発しなければならず、1社ではスピードが間に合わない。日本勢にとっては海外展開も喫緊の課題であり、海外に強みを持つエリクソンなどと組む利点は大きい。

 また国内通信事業者の5G商戦ではNTTドコモはNEC、富士通、ノキアの3社が手がけている。ソフトバンクは欧州製に加え、中国ファーウェイ製品を採用している。
日刊工業新聞2018年10月26日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
5G商戦に向けて、NECーサムスン電子連合に続き、富士通ーエリクソン連合が誕生した。当面の焦点は5Gの基地局の共同開発と展開。それぞれに思惑はあるものの、目指す方向性は同じ。5Gの競争の土俵はグローバル抜きにはなり立たず、富士通、NECとも切り札として、海外ベンダーとの提携に打って出た。両陣営のメンバーはそれぞれ得意分野や特定の顧客を持っている、提携により、5Gの商材となる製品・サービスを補完するともに、提携先の顧客(通信事業者)に対する新たな販路を開くなど、クロスセルが可能となる。これを機に5G商戦は一気に過熱しそうだ。 (日刊工業新聞社・斉藤実)

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